初心者向け投資信託おすすめ条件と選び方ガイド

recommended-investment-trusts-beginners-guide 新NISA・投資

「投資信託を始めてみたいけど、何を選べばいいか全然わからない…」と感じていませんか?

「老後2,000万円問題」「新NISAの開始」——お金に関するニュースが増える中、「そろそろ資産形成を始めなければ」という焦りを感じながらも、具体的な一歩が踏み出せないままになっている親御さんは多いはずです。投資信託を調べ始めると出てくる膨大な商品数・難しい専門用語・「損したらどうしよう」という恐怖——これらが重なって、「やっぱり後でいいか」と先送りしてしまいがちです。

しかし、先送りするたびに複利の力が働く時間が失われていることも事実です。この記事では、「何を・どう選べばいいか」を初心者にもわかりやすく整理します。

この記事では、次の3つのことがわかります。

  • 初心者が投資信託を選ぶときに見るべき具体的な条件と基準がわかる
  • 新NISAを使った投資信託の始め方と、証券会社の選び方がわかる
  • 子育て世帯が教育費と資産形成を両立させるための考え方がわかる

私自身、大学生のころに正しい知識がないまま個別株投資を始めて失敗した経験があります。あのときインデックスファンドの積立を地道に続けていれば——そんな後悔があるからこそ、「正しい商品を・正しい方法で・早く始めること」の大切さを伝えたいと思っています。この記事が、あなたの最初の一歩を後押しする内容になれば嬉しいです。

※この記事は一般的な金融教育を目的とした情報提供であり、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。

投資信託を始めたいのに動けない…初心者が感じる3つの不安

「始めた方がいいとわかっている。でも動けない」——この状態には、共通した3つの不安が背景にあります。不安の正体を明確にすることで、「何が本当のリスクで、何は心配しすぎなのか」が見えてきます。

「元本割れが怖い」「損したらどうしよう」という不安の正体

投資信託を始めようとするとき、最初に立ちはだかる壁が「元本割れへの恐怖」です。「投資したお金が減ったらどうしよう」という感覚は、投資を始めたことがない人なら誰でも感じる自然な感情です。

しかしこの恐怖は、「元本割れのリスク」と「元本割れが確定するリスク」を混同していることから生まれていることが多いです。

投資信託の価格は日々変動します。そのため、ある時点では「元本割れ(購入時より価値が下がっている状態)」になることは珍しくありません。しかし、元本割れは「売却しない限り確定しない」という点が重要です。

一般的に、世界株式のインデックスファンドを長期にわたって保有した場合、保有期間が長くなるほど元本割れのリスクが低減される傾向があるとされています。ただしこれはあくまで過去の傾向であり、将来の運用成果を保証するものではありません。「短期的な値動きを気にせず、長期で持ち続けること」が元本割れのリスクを低減する現実的な方法として、多くの専門家が指摘しています。

元本割れへの恐怖を和らげるためにできることは2つです。まず「すぐ使う予定のないお金で始めること」。次に「短期の値動きを見すぎないこと」。この2点を意識するだけで、不安は大きく軽減されます。

※投資信託は元本が保証されるものではなく、運用の結果によっては損失が生じる場合があります。投資の判断はご自身の状況をもとに行い、必要に応じて専門家にご相談ください。

何を選べばいいかわからない…商品の多さに圧倒される理由

投資信託の商品数は、2025年11月末時点で国内公募投信だけで約5,760本存在します。「どれを選べばいいかわからない」という感覚は、当然のことです。

商品の多さに圧倒される背景には、「すべての商品を比較・理解してから選ばなければいけない」という思い込みがあります。しかし実際は、初心者が最初に選ぶべき投資信託の条件は、シンプルに絞れます。

① つみたて投資枠対象ファンドから選ぶ 

新NISAのつみたて投資枠で購入できるファンドは、金融庁が一定の基準(低コスト・長期運用に適している等)を満たすと認定した商品のみです。2025年12月時点で347本に絞られており、この中から選ぶだけで「質の低い商品を選んでしまうリスク」を大幅に減らせます。

※最新の対象ファンド一覧は金融庁の公式サイトでご確認ください。(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/

② 信託報酬が年0.2%以下のものを選ぶ 

信託報酬とは、ファンドを保有している間にかかる年間のコストです。長期投資においてコストの差は最終的な資産額に大きく影響します。インデックスファンドの中には年0.05%台のものもあり、年0.2%以下を目安に選ぶことが初心者には適切です。

③ 純資産総額が100億円以上のものを選ぶ 

純資産総額が小さすぎるファンドは、運用会社が運用を終了(繰上償還)するリスクがあります。100億円以上を目安にすることで、安定した運用が続けられる可能性が高まります。

この3つの条件で絞るだけで、選択肢は大幅に絞られます。「全部を比べる」のではなく「条件で絞る」という発想の転換が、商品選びの迷いを解消する最短ルートです。

出典:投資信託協会「数字で見る投資信託」https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/figure/

子どもの教育費も心配なのに、今さら投資を始めていいの?

「教育費の準備もできていないのに、投資を始めるなんて」という罪悪感を感じている親御さんは多いです。しかしこの考え方は、「教育費の準備」と「自分の資産形成」を「どちらか一方を先にやるもの」として捉えていることから生まれています。

実際は、この2つは同時並行で進めることが可能であり、むしろそうすることが家計全体にとって合理的です。

「教育費」と「老後資金」の同時積立が有利な理由

教育費は「10〜15年後に必要になる資金」です。一方、老後資金は「20〜30年以上先に必要になる資金」です。どちらも「今すぐ全額必要」ではありません。

老後資金の準備を「教育費が終わってから始めよう」と先送りすると、複利の恩恵を受けられる期間が大幅に短くなります。たとえば、月1万円を年利3%で運用した場合、30年間積み立てると約583万円になりますが、20年間では約328万円にとどまります。10年の先送りが約255万円の差を生む——これが先送りのコストです。

※年利3%はあくまでシミュレーション上の仮定です。実際の運用成果を保証するものではありません。金融庁の資産運用シミュレーターで、ご自身の条件に合わせて試算することをおすすめします。 (参考:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

「生活費・教育費・老後資金」の3分割で考える

家計を「すぐ使う生活費」「数年以内に使う教育費(元本割れリスクの低い預金や安全性の高い商品で準備)」「長期で育てる老後資金(インデックスファンドの積立)」の3つに分けて管理することで、教育費と老後資金の両立が可能になります。

月の積立額は最初は少額でも構いません。月3,000〜5,000円の積立でも、長期で続けることで複利の力が働き始めます。「完璧な準備ができてから始める」ではなく「今できる金額で今日から始める」が、資産形成の最も重要な原則です。

投資信託おすすめの選び方|初心者が最初に確認すべき4つの条件

投資信託を選ぶとき、「どれがいいか」という結論より先に、「何を基準に選ぶか」という判断軸を持つことが重要です。判断軸がなければ、情報が増えるほど迷いも増します。ここでは、初心者が最初に確認すべき4つの条件を、具体的な数値とともに整理します。

コストで選ぶ:信託報酬が低いインデックスファンドを選ぶべき理由

投資信託を選ぶ上で、初心者が最初に確認すべきは「信託報酬(運用コスト)の低さ」です。信託報酬とは、ファンドを保有している間に毎年かかる運用管理費用のことで、保有残高に対して年率で差し引かれます。

なぜコストがこれほど重要なのか

信託報酬の差は、一見小さく見えます。たとえば年0.1%と年1.0%の差は「0.9%」です。しかし長期投資においてはこの差が最終的な資産額に大きく影響します。

100万円を年利5%で30年間運用した場合のシミュレーション(信託報酬控除後)を見てみましょう。

信託報酬実質運用利率30年後の試算額
年0.1%年4.9%約411万円
年0.5%年4.5%約365万円
年1.0%年4.0%約324万円
年2.0%年3.0%約243万円

※上記は年利5%の仮定に基づくシミュレーションです。将来の運用成果を保証するものではありません。

信託報酬が年0.1%と年2.0%では、30年後に約168万円の差が生まれます。この差は「運用の腕前」ではなく「コストの差」だけで生まれています。長期投資において、コストは確実にかかる「確定的な損失」です。リターンは不確実ですが、コストは確実です。だからこそ、コストを下げることは投資で最も確実に効果を出せる対策になります。

リスク分散で選ぶ:国内・海外・株式・債券のバランスをどう考えるか

投資信託を選ぶ2つ目の条件が「分散の範囲」です。「どの国・どの資産に投資しているか」によって、リスクとリターンの特性が大きく変わります。

資産クラス別の特徴

資産クラス期待リターンリスク主な特徴
国内株式日本企業の成長に連動
先進国株式中〜高中〜高米国・欧州などの成長に連動
新興国株式成長期待大・値動きも大きい
全世界株式中〜高中〜高世界全体に分散・バランスが良い
国内債券安定性重視・リターンは小さい
先進国債券低〜中低〜中株式と値動きが異なる傾向あり

※上記は一般的な傾向であり、将来のリターン・リスクを保証するものではありません。

分散投資の目的は「リスクを完全になくすこと」ではなく、「特定の国・企業・資産クラスへの集中リスクを減らすこと」です。

初心者には、次の3つのアプローチが考えやすいです。

①全世界株式1本でシンプルに分散 

「オール・カントリー」と呼ばれる全世界株式インデックスファンドは、1本で世界約47か国・約3,000銘柄に分散投資できます(2025年時点。構成銘柄数は定期的に変動します)。「どの国・どの企業に投資するか」を考える必要がなく、最もシンプルに分散できる選択肢です。

②株式と債券を組み合わせてリスクを抑える

値動きが気になる方には、株式と債券を組み合わせたバランス型ファンドも選択肢になります。株式だけのファンドより値動きが小さくなる傾向がありますが、期待リターンも抑えられます。ただし金利上昇局面では、株式と債券が同時に下落するケースもある点は理解しておきましょう。

③日本株と海外株を組み合わせる

 国内株式インデックスと先進国株式インデックスを組み合わせる方法です。日本経済と世界経済の両方に連動する形になります。

「完璧な分散」を追求するより、「自分が長続きできるシンプルな組み合わせ」を選ぶことが重要です。複雑に組み合わせて管理が面倒になり、途中でやめてしまうことが最も避けたい結果です。

運用実績と純資産総額で選ぶ:長く安心して続けられるファンドの見極め方

信託報酬・分散の範囲に加えて、確認すべき3つ目・4つ目の条件が「運用実績」と「純資産総額」です。

運用実績の正しい見方

過去の運用実績は「将来のパフォーマンスを保証するものではない」というのは金融の大原則です。しかし、運用実績を確認することには意味があります。

確認すべきは「短期の騰落率」ではなく、「5年・10年以上の長期にわたってベンチマーク(指数)に連動できているか」です。インデックスファンドであれば、連動目標とする指数(S&P500・全世界株式等)に対して、どの程度の精度で連動しているかを確認しましょう。

指数との乖離が小さいファンドほど「追跡誤差が小さい」と言われ、インデックスファンドとしての品質が高いと判断できます。

純資産総額の目安と重要性

純資産総額とは、そのファンドに集まっている資金の総額です。純資産総額が小さすぎるファンドには、次のリスクがあります。

繰上償還リスク:運用会社がファンドの維持が困難と判断し、期限前に運用を終了することがあります。突然運用が終了すると、意図しないタイミングで売却・課税が発生する可能性があります。

純資産総額の目安として、100億円以上を最低限の条件にすることをおすすめします。長期に渡って安定した運用が続くためには、ある程度の規模が必要です。

人気のインデックスファンドの中には純資産総額が1兆円を超えるものもあり、こうしたファンドは繰上償還のリスクが極めて低く、安心して長期保有できます。ただし、純資産総額が大きいことが運用成績の良さを保証するものではありません。

初心者におすすめの投資信託3タイプ|親子で比べてみよう

選び方の条件が整ったところで、初心者に向いている投資信託の3つのタイプを紹介します。それぞれの特徴・向いている人・親子での学習への活用方法をまとめます。

なお、以下で紹介する具体的なファンド名はあくまで参考情報であり、特定の商品への投資を推奨するものではありません。最新の信託報酬・純資産総額・運用状況は各運用会社の公式サイトでご確認ください。

全世界株式インデックスファンド:世界まるごと買えるシンプルな選択肢

全世界株式インデックスファンドは、「オール・カントリー(オルカン)」という愛称でも知られ、世界約50か国・数千社の株式に1本で分散投資できるファンドです。

特徴とメリット

「どの国に投資するか」「どの地域が伸びるか」を考える必要がなく、世界経済全体の成長に乗れるシンプルさが最大の魅力です。米国・欧州・日本・新興国など、世界全体の成長を幅広く取り込める設計になっています。

代表的な商品として「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が挙げられます。2025年3月時点での信託報酬は年0.05775%と業界最低水準の低コストを維持しており、純資産総額は9兆円超(2025年末時点)と国内投資信託トップクラスの規模を誇り、繰上償還のリスクは極めて低いファンドです。

向いている人

「どれを選ぶかで迷いたくない」「最もシンプルに長期積立をしたい」という方に向いています。1本で完結するため、管理が最もシンプルです。

親子での学習への活用

「この1本を買うだけで、アップルもトヨタもサムスンも、世界中の有名な会社に少しずつ投資していることになるんだよ」という説明が、子どもに投資の分散効果を伝える入口として最適です。

バランス型ファンド:値動きを抑えながらコツコツ増やしたい人向け

バランス型ファンドは、株式・債券・不動産投資信託(REIT)など、複数の資産クラスを1本に組み合わせたファンドです。株式だけのファンドより値動きが穏やかになる傾向があります。

特徴とメリット

株式・債券が異なる値動きをする傾向を利用して、ポートフォリオ全体の価格変動を抑える効果があります。「投資信託を1本だけにしたいが、株式100%は怖い」という方に向いています。

代表的な商品として「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が挙げられます。国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券・国内REIT・先進国REITの8資産に均等に分散しています。信託報酬は年0.143%(2025年3月時点)です。

注意点

バランス型ファンドは値動きが穏やかな分、長期的な期待リターンも株式100%のファンドより低くなる傾向があります。また、債券比率が高いバランス型は、インフレ局面での実質的なリターンが低下する可能性があります。

向いている人

「積立を始めたいが、残高が大きく減ることへの不安が強い」「長期投資に慣れるまでの入口として使いたい」という方に向いています。投資経験を積んでリスク許容度が上がってきたら、株式比率の高いファンドへの移行を検討することも選択肢の一つです。

親子での学習への活用

「株式・債券・不動産など、いろんな種類のものに分けて投資しているから、1つが下がっても別のもので補いやすい仕組みになっているんだよ」という説明が、分散投資の考え方を伝えるのに活用できます。

日本株インデックスファンド:身近な企業を通じて子どもに投資を説明しやすい

日本株インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動するファンドです。日本の代表的な企業の株価に連動して値動きします。

特徴とメリット

ニュースで毎日報道される「日経平均」に連動しているため、「投資しているものの値動きが日常的に確認できる」という教育的なメリットがあります。「今日、日経平均が上がったってニュースで言ってたけど、うちが持ってるファンドもちょっと増えてるよ」という会話が自然に生まれます。

代表的な商品として「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が挙げられます。信託報酬は年0.143%(2025年3月時点)です。

注意点

日本株のみへの投資は、全世界株式や先進国株式と比べると分散の範囲が限られます。日本経済の動向に大きく左右されるため、全体の資産のうち一部を日本株ファンドに充てるという考え方が一般的です。また、日本の人口減少・経済成長率の低さという構造的な課題も理解した上で投資判断することが大切です。

向いている人

「投資を子どもと一緒に学ぶ入口として使いたい」「日常のニュースと投資をつなげて理解したい」という方に向いています。全世界株式や先進国株式との組み合わせで使うことで、分散効果を高めながら日本株への理解も深められます。

親子での学習への活用

「この日経平均って、トヨタ・ソニー・任天堂など日本の有名な225社の平均株価なんだよ。このファンドを持つと、その225社みんなに少しずつ投資していることになるんだ」という説明が、子どもに投資を身近なものとして感じさせる入口になります。スーパーで買い物するとき「この商品を作ってる会社、日経平均に入ってるかな?」という会話も生まれやすくなります。

投資信託をおすすめするだけじゃ不十分|失敗しない始め方のルール

良い投資信託を選んでも、始め方を誤ると長続きしません。「何を買うか」と同じくらい「どう始めるか」が、投資信託を長期で続けるための鍵になります。ここでは、初心者が失敗しないための3つのルールをお伝えします。

まず「生活防衛資金」を確保してから投資を始めるべき理由

投資信託を始める前に、必ず確認すべきことがあります。それが「生活防衛資金の確保」です。

生活防衛資金とは、突然の失業・病気・家電の故障・子どもの急な入院費など、予測できない出費に対応するための「すぐ引き出せるお金」のことです。一般的には生活費の3〜6か月分を目安に、普通預金や流動性の高い口座に置いておくことが推奨されています。

なぜ生活防衛資金が投資より先なのか

生活防衛資金なしに投資を始めると、急な出費が必要になったとき投資信託を売却せざるを得ない状況が生まれます。問題は、「急な出費が必要なとき」に限って「投資信託の価格が下がっているとき」と重なることがあるという点です。

価格が下落しているタイミングで売却すれば、損失が確定します。長期投資の最大の失敗パターンの一つが「生活費が必要になって、下落時に売却してしまうこと」です。生活防衛資金を先に確保しておけば、投資信託の価格が下がっても「待てる」状態を維持できます。

生活防衛資金を置く場所の選び方

生活防衛資金は「すぐ引き出せること」が最優先条件です。そのため、投資信託ではなく普通預金・定期預金に置くことが基本です。楽天銀行・住信SBIネット銀行など、メガバンクより金利の高いネット銀行の普通預金を活用すると、わずかながら利息も得られます(2025年3月時点での金利は各銀行の公式サイトでご確認ください)。

投資信託を始めるチェックリスト

以下の条件がそろってから、投資信託の積立を始めましょう。

  • [ ] 生活費3〜6か月分の生活防衛資金を普通預金に確保している
  • [ ] 投資に使うお金は「なくなっても生活に困らない余裕資金」である
  • [ ] 子どもの教育費など近い将来に必要なお金は別口座に分けて管理している
  • [ ] 高金利の借金(カードローン・消費者金融等)がない

このチェックリストを満たした上で、余裕資金の範囲内で積立を始めることが、失敗しない投資信託の始め方の大前提です。

積立NISAを活用する:非課税メリットを最大限に活かす口座の選び方

投資信託を始めるなら、新NISAの「つみたて投資枠」を活用することが現状の最善策です。通常、投資信託の運用益(売却益・分配金)には約20.315%の税金がかかります。新NISAの枠内で運用すれば、この税金が非課税になります。

新NISAの基本的な仕組み(2025年3月時点)

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資上限120万円240万円
生涯投資上限1,800万円(成長投資枠との合計)1,200万円
非課税期間無期限無期限
対象商品金融庁認定の投資信託・ETF上場株式・投資信託等
口座開設年齢18歳以上18歳以上

※制度の詳細・最新情報は金融庁の公式サイト(https://www.fsa.go.jp)でご確認ください。制度は変更される場合があります。

初心者にはまずつみたて投資枠での積立から始めることをおすすめします。対象商品が金融庁認定のファンドに限定されているため、「極端に質の低い商品を選んでしまうリスク」が低く、少額・自動積立ができる仕組みが整っています。

証券会社の選び方

新NISAの口座は1人1口座のみです。どの証券会社で開設するかは慎重に選びましょう。初心者に向いている証券会社の選び方の基準は以下のとおりです。

  • 取扱ファンドの種類が豊富か :つみたて投資枠で購入できる対象ファンドが多いほど、選択肢が広がります。
  • 積立の最低金額が低いか :月100円から積立できる証券会社を選ぶと、少額から無理なく始められます。
  • アプリの使いやすさ :長期で使い続けるツールのため、残高確認・積立設定がシンプルで使いやすいことも重要な条件です。
  • ポイント還元・連携サービス :楽天証券は楽天ポイント、SBI証券はVポイント・Pontaポイント・dポイント・PayPayポイント・JALマイルの5種類から選択でき、積立でポイントが貯まるサービスを提供しています。

なお、ポイントを投資の買付に使える種類と、貯めるだけのものがあるため、詳細は各証券会社の公式サイトでご確認ください(サービス内容は変更される場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください)。

なお、どの証券会社が最適かは個人の状況によって異なります。複数の証券会社の公式サイトを比較した上で、ご自身に合った口座を選んでください。

子どもと月1回「運用報告」を見る習慣で、お金の教育も同時にできる

投資信託の積立を始めたら、月1回・10〜15分間、子どもと一緒に運用状況を確認する習慣を作りましょう。この習慣が、資産形成と子どもへの金融教育を同時に進める最も効率的な方法になります。

月1回「運用報告タイム」の進め方

① 証券アプリで残高・損益を確認する(3分)

「今月はいくらになってる?先月と比べてどう?」という問いかけで始めます。増えていても減っていても、親が落ち着いた反応を見せることが重要です。「増えた・減った」の結果より、「なぜそうなったか」を一緒に考える姿勢が、子どもの金融リテラシーを育てます。

② 値動きの理由をニュースと結びつける(5分)

「今月はどんなニュースがあった?それが株価に影響したかもしれないよ」という問いかけで、経済ニュースと投資をつなげます。「アメリカの金利が上がったから株価が下がったのかな?」「この会社、新製品を発表して株価が上がったみたいだよ」という会話が、経済への関心を自然に育てます。

③ 積立を継続していることを「確認して褒める」(2分)

「今月も積み立てられたね」という事実確認を習慣にしましょう。投資の成果はすぐには見えませんが、「続けていること」を家族で確認することで、継続のモチベーションが維持されます。小さな習慣の積み重ねが、10年・20年後の大きな差を生み出します。

「見ても何もしない」がインデックス積立の正しい使い方

月1回確認した後、「特に何もしない」が長期インデックス積立の正しいスタンスです。値動きを見て「増えたから売ろう」「減ったから積立を止めよう」という行動は、長期投資の効果を損ないます。「見ても何もしない」という体験を子どもと一緒に実践することが、「長期投資は待つことが仕事」という感覚を育てる最高の機会になります。

まとめ

この記事では、初心者が投資信託を選ぶための4つの条件・おすすめ3タイプ・失敗しない始め方のルールまでをお伝えしてきました。

投資信託を始めることに、完璧なタイミングはありません。「準備ができたら始めよう」と思っているうちに、複利の力が働く貴重な時間は過ぎていきます。

私が塾で子どもたちに伝えていることと同じで、「完璧な準備より、今日の小さな一歩の方が価値がある」——投資もまったく同じです。月100円の積立でも、始めることで複利の時計は動き始めます。

今日、証券会社の公式サイトを開いて「新NISAの口座開設」ページをブックマークするところから始めてみてください。その小さな一歩が、家族の資産形成と子どものお金教育を同時に動かす第一歩になります。

この記事でお伝えした内容はあくまで一般的な金融教育の情報提供です。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。具体的な投資判断はご自身の状況・リスク許容度をもとに行い、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。