高校生のバイト代はいくらまで?扶養136万円の壁と税金・確定申告

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堀 智紀(塾長)|現役学習塾経営者・FP3級取得。宮崎市で「15歳からはじめるお金の勉強」をコンセプトにHORI塾+を運営。
教育者という中立の立場から、お金の知識を発信しています。

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「子どもがアルバイトを始めたけど、税金のことを何も教えていなかった…いくら稼いだら問題になるの?」と不安になったことはありませんか?

高校生がアルバイトを始めると、給与明細で所得税が引かれていることに気づく場合があります。なぜ引かれているのか、確定申告とは何か、一定額を超えるとどうなるのか——子どもにこう聞かれて、正確に答えられる親御さんは意外と少ないものです。

知らないまま放置すると、払いすぎた税金が戻らないままになったり、親の扶養から外れて家族の負担が増えたりすることがあります。しかも年収の壁は、2025年分・2026年分と2年続けて税制改正で変わりました。

2026年10月時点の制度をもとに、高校生のバイト代の目安となる年収の壁、所得税・住民税の仕組み、親の扶養から外れるライン、年末調整と確定申告の違いを整理します。

※税制・社会保険制度は毎年見直される可能性があります。実際の判断の前に、国税庁・お住まいの市区町村・加入している健康保険の窓口で最新情報をご確認ください。

【早見表】高校生のバイト代はいくらまで?2026年の年収の壁

まず結論からお伝えします。高校生のアルバイトに関係する年収の壁は、大きく4つあります。

年収の壁2026年分のライン2025年分のライン誰に影響するか超えるとどうなるか
住民税約119万円(翌年1月1日時点で18歳未満なら約209万円)約110万円(同 約200万円)子ども本人翌年度に住民税がかかる
健康保険の扶養130万円未満130万円未満子ども本人親の健康保険の扶養から外れ、国民健康保険などに加入して保険料を負担する
扶養控除(親の税金)136万円123万円親親の扶養控除(所得税38万円・住民税33万円)がなくなり、親の税金が増える
所得税178万円160万円子ども本人子ども本人に所得税がかかる

※住民税の金額は単身・給与収入のみの場合の目安です。非課税となる基準は自治体によってわずかに異なります。

高校生の家庭がまず意識したいのは、健康保険の130万円と扶養控除の136万円です。所得税の178万円や、18歳未満の住民税のラインを高校生のアルバイトで超えることはまれです。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

参考:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A

参考:令和8年度税制改正の大綱の概要

年収は1月〜12月に支払われた金額で数える

税金の計算でいう年収は、その年の1月1日〜12月31日に支払われた給与の合計です。12月に働いた分が1月に支払われる場合は、翌年の収入になります。年末が近づいたら、給与明細で支給日と支給額を確認しましょう。

一方、健康保険の130万円は、過去の実績ではなく、今後1年間の見込み年収で判断されます。2026年4月からは、給与収入のみの場合、労働条件通知書などに書かれた時給や勤務日数をもとに見込み年収を計算し、契約に定めのない残業代などは含めない扱いになりました。また、通勤手当(交通費)は年収に含めて計算されるため、税金の年収とは数え方が違う点に注意が必要です。

高校生のバイト代にかかる税金の基本——所得税と住民税

アルバイトで収入を得るようになると、高校生も税金と無縁ではなくなります。まずは、バイト代に関わる2つの税金の仕組みを整理しましょう。

そもそも税金ってなに?バイト代にもかかるの?

税金は、道路・学校・病院・救急車・ゴミ収集など、一人では用意できない公共サービスを社会全体で支えるために納めるお金です。収入を得た人には、その所得に応じて税金がかかる仕組みになっています。

高校生にとって身近なのは、買い物のときに払う消費税です。税率は原則10%で、持ち帰りの食料品などには8%の軽減税率が適用されます。アルバイトの給料には消費税はかかりませんが、代わりに所得税と住民税がかかる場合があります。かかるかどうかは、主に年収の金額で決まります。

参考:税の学習コーナー|国税庁

住民税の未成年者の非課税ラインについて、前回の早見表の数値に誤りがあることが分かったため、あわせて修正しています。

所得税:2026年分は年収178万円まで非課税

所得税は、個人の所得にかかる国の税金で、アルバイトの給料にもかかります。給料から差し引かれる源泉徴収という形で納めるため、原則として自分で納付の手続きをする必要はありません。

所得税がかからない年収のラインは、税制改正で大きく引き上げられました。

  • 2025年分:基礎控除95万円+給与所得控除65万円=160万円以下なら非課税
  • 2026年分:基礎控除104万円+給与所得控除74万円=178万円以下なら非課税

基礎控除とは、所得が一定以下の人が所得から差し引ける金額です。給与所得控除は、会社員やアルバイトの人が給与収入から差し引ける、いわば働くための経費にあたる金額です。2026年分の金額には、2026年分・2027年分に限った特例の上乗せが含まれています。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

住民税:所得税より低いラインで、翌年に課税される

住民税は、都道府県と市区町村に納める税金です。所得税と違い、前年の収入をもとに翌年度に課税されるという、1年遅れの仕組みがあります。

住民税の基礎控除(43万円)は据え置かれているため、所得税より低い年収から住民税がかかります。目安は次のとおりです(給与収入のみ・単身の場合)。

課税される年度の1月1日時点で18歳以上の場合

2025年分の年収がおおむね110万円、2026年分の年収がおおむね119万円を超えると、翌年度に住民税がかかる可能性があります(基準は自治体によって異なります)

課税される年度の1月1日時点で18歳未満の場合

未成年者は、前年の合計所得金額が135万円以下なら非課税になります。給与収入に換算すると、2025年分は約204万円未満、2026年分は約209万円以下が目安です

2022年4月に成年年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、この非課税の対象も18歳未満に変わりました。高校3年生の年の収入は、翌年1月1日の時点で18歳になっている生徒が多く、その場合は未成年者の非課税の対象外になります。誕生日によって扱いが変わるため、高校3年生の年は特に注意しましょう。

所得税は今年の収入に今年かかり、住民税は今年の収入に来年かかる。この1年の時間差が混乱のもとになりやすいので、事前に親子で確認しておくことが大切です。

参考:個人住民税|暮らしと税金|東京都主税局

給与明細で所得税が引かれている理由——扶養控除等申告書を出そう

年収が178万円以下でも、毎月の給与から所得税が引かれていることがあります。理由は主に2つです。

1つ目は、毎月の源泉徴収が、その月の給与額をもとにした概算だからです。年収が非課税ラインに届かなければ、払いすぎた分は年末調整や確定申告で戻ってきます。年末の時点でそのアルバイト先に勤めていない場合などは、年末調整が受けられないため、確定申告(還付申告)で取り戻します。また、2026年分の改正は月々の源泉徴収には2027年1月から反映されるため、2026年中は引かれすぎになりやすく、12月の年末調整で精算されます。

2つ目は、アルバイト先に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を出していない場合です。この書類を出していないと、源泉徴収の税額が高めに計算されます(いわゆる乙欄)。アルバイトを始めたら、メインの勤務先1か所にこの書類を提出しましょう。掛け持ちしている場合、提出できるのは1か所だけです。

参考:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A

親の扶養はいくらで外れる?扶養控除と健康保険の壁

高校生のバイト収入が増えると、本人の税金だけでなく、親の税金や健康保険にも影響します。ここを知らないと、家族全体で思わぬ負担増につながります。

扶養控除とは?高校生年代は親の所得から38万円差し引ける

親が子どもを扶養していると、親の所得税・住民税を計算するときに、扶養控除として一定額を所得から差し引けます。控除額は子どもの年齢によって異なります。

子どもの年齢区分所得税の控除額住民税の控除額
16〜18歳(高校生年代)一般扶養親族38万円33万円
19〜22歳(大学生年代)特定扶養親族63万円45万円

年齢は、その年の12月31日時点で判断します。

参考:No.1180 扶養控除|国税庁

2026年分は年収136万円を超えると扶養控除から外れる

扶養控除を受けるには、子どもの合計所得金額が一定以下である必要があります。このラインも2年続けて引き上げられました。

  • 2025年分:合計所得58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)
  • 2026年分:合計所得62万円以下(給与収入のみなら136万円以下)

高校生年代(16〜18歳)の子の年収が2026年に136万円を超えると、親は扶養控除(所得税38万円・住民税33万円)を受けられなくなります。

19〜22歳の大学生年代には、年収が扶養のラインを超えても段階的に控除が受けられる特定親族特別控除があります。しかし、高校生年代はこの対象外のため、136万円(2025年分は123万円)が上限になります。

なお、住民税は1年遅れで課税されるため、2026年分の収入に新しい所得要件が使われるのは、2027年度の住民税からです。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

健康保険の扶養は年収130万円が目安

税金とは別に、健康保険にも扶養のラインがあります。子どもの見込み年収が130万円以上になると、親の健康保険の扶養から外れる可能性があります。

扶養から外れると、子どもが国民健康保険などに加入し、その保険料が新たにかかります(国民健康保険の場合、保険料は世帯主がまとめて納めます)。保険料は自治体や収入によって異なりますが、年間で数万円から十数万円程度になることがあります。

ここで注意したいのは、130万円は扶養控除の136万円より低いという点です。2026年分は、高校生の家庭が最初にぶつかる大きな壁は健康保険の130万円になります。なお、2026年4月からは、給与収入のみの場合、労働条件通知書などの契約内容から見込まれる年収で判定されるようになり、契約に定めのない一時的な残業代などは含めない扱いになりました。

パート・アルバイトの社会保険加入でよく話題になる106万円の壁(週20時間以上などの要件)は、昼間に学校へ通う学生には原則として適用されません。高校生が気にすべきなのは、主に親の扶養に関わる130万円のほうです。

19〜22歳の大学生年代は、2025年10月から健康保険の扶養のラインが150万円未満に緩和されていますが、高校生年代は130万円のままです。親が自営業などで国民健康保険に加入している場合は、そもそも扶養の仕組みがないため、130万円の壁は関係しません。具体的な判定は、親が加入している健康保険の窓口に確認しましょう。

参考:労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて|日本年金機構

壁を超えたら必ず損?家族全体の手取りで判断する

壁を超えたら絶対に損という理解は正確ではありません。判断の基準は、家族全体のお金の流れです。

超えて得するかどうかは、次のように考えます。

壁を超えて増えたバイト代 > 親の税金の増加分 + 子どもの健康保険料 + 子ども本人の税金

この左辺が右辺を上回れば、家族全体としてはプラスになります。

具体例として、2026年分で親の所得税率が20%の場合を考えてみましょう。子どもが扶養控除から外れると、親の負担は所得税が約7.6万円(38万円×20%、復興特別所得税を除く)、住民税が約3.3万円(33万円×10%)増え、合計で約11万円です。さらに130万円以上になって健康保険の扶養からも外れると、子どもの保険料が加わります。

そのため、年収が130万円や136万円をわずかに超える程度では、家族全体で損になる可能性が高くなります。超えるなら、これらの負担増を十分に上回るだけ稼げるかを、事前に親子で計算しておきましょう。親の所得税率や自治体によって金額は変わるため、あくまで考え方の目安としてお使いください。

年末調整と確定申告——高校生が自分で申告すべきケース

払いすぎた税金を取り戻すには、年末調整か確定申告のどちらかが必要です。2つは似ていますが、手続きをする人と対象が違います。

年末調整と確定申告の違い

項目年末調整確定申告
手続きをする人アルバイト先(会社)本人
タイミング12月の給与など翌年2月16日〜3月15日(還付申告は翌年1月1日から5年間)
対象扶養控除等申告書を出している勤務先の給与年末調整されなかった給与、複数の勤務先の給与など

年末調整は、アルバイト先が1年間の正確な税額を計算し、毎月引いた所得税との差を精算する手続きです。多くの場合、12月の給与で払いすぎた分が戻ってきます。

確定申告は、本人が1年間の収入と控除を計算して税務署に申告する手続きです。払いすぎた税金を取り戻すための申告は還付申告と呼ばれ、確定申告の期間とは関係なく、翌年1月1日から5年間提出できます。

アルバイト先が年末調整をしてくれるなら、基本的に確定申告は不要です。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

参考:No.2030 還付申告|国税庁

確定申告(還付申告)が必要・おトクになる4つのケース

1つ目は、年の途中でアルバイトを辞めた場合です。12月まで在籍していないと、年末調整が行われないことがあります。確定申告をすると、引かれていた所得税が戻ってくるケースが多くあります。

2つ目は、掛け持ちでアルバイトをしている場合です。扶養控除等申告書を出していないサブの勤務先の給与は、年末調整に含まれません。サブの勤務先の給与収入が年20万円を超える場合などは、確定申告が必要です。申告が必要ない場合でも、サブの勤務先で多めに引かれた所得税は、還付申告で戻ってくる可能性があります。

3つ目は、アルバイト先が年末調整をしてくれない場合です。小規模なお店などでは、年末調整が行われないことがあります。12月や1月の給与明細で精算されていなければ、自分で申告しましょう。

4つ目は、年収が非課税ライン以下なのに所得税が引かれていた場合です。給与収入のみの場合、2026年分は年収178万円以下なら本来所得税はかかりません。それでも毎月少しずつ引かれていた場合、年末調整か確定申告をしないと、そのお金は戻ってきません。申告しないと損をする典型的なケースです。

確定申告のやり方と必要なもの

給与所得だけのシンプルなケースなら、スマホで短時間で終わることが多いです。

必要なものは次のとおりです。

  • 源泉徴収票(アルバイト先が発行。複数あればすべて)
  • マイナンバーカード(またはマイナンバーがわかる書類+本人確認書類)
  • 還付金を受け取る本人名義の銀行口座

申告の流れは次のとおりです。

  • 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスする
  • 源泉徴収票の数字を入力する
  • 基礎控除・勤労学生控除などの控除を確認する
  • 自動で計算された申告書を確認する
  • e-Taxでオンライン提出する(マイナンバーカードが必要)か、印刷して郵送・持参する
  • 還付金が指定口座に振り込まれる(e-Taxの場合は3週間程度、書面の場合は1か月から1か月半程度が目安)

勤労学生控除は、働く学生が一定の条件を満たすと受けられる控除です。2026年分は、合計所得金額が89万円以下(給与収入のみなら163万円以下)であることなどが条件です。高校生の場合、所得税は基礎控除などの範囲内でかからないことが多いため、主に住民税の負担が軽くなる場面で役立ちます。

源泉徴収票は、アルバイトを辞めるときや年末に必ず受け取り、なくさないように保管しておきましょう。

参考:No.1175 勤労学生控除|国税庁

参考:国税庁 確定申告書等作成コーナー

親子で年収を管理する方法と会話のヒント

年収の壁の仕組みが分かったら、次は家庭での管理です。壁の手前で慌てないように、1年の見通しを親子で立てておきましょう。

月いくら・何時間まで?時給から年収を逆算する

年間の上限を12か月で割ると、月の目安が分かります。

目標のライン月の目安時給1,000円の場合の月の勤務時間
住民税(2026年分・翌年1月1日時点で18歳以上の場合:約119万円)約9.9万円約99時間
健康保険の扶養(130万円未満)約10.8万円約108時間
扶養控除(2026年分:136万円)約11.3万円約113時間

※健康保険の扶養は、通勤手当(交通費)も含めた見込み年収で判断されます。交通費が支給されている場合は、その分も含めて計算しましょう。

夏休みや冬休みにシフトを増やすと、年末に一気にラインへ近づくことがあります。月ごとではなく、今年ここまでの合計で管理するのがコツです。

親子で確認したい3つのチェックポイント

年末に慌てないために、少なくとも夏休み明けと11月ごろに、次の3つを確認しましょう。

  • 今年の支給額の合計はいくらか:給与明細の支給額を1月から足し上げる
  • 扶養控除等申告書を出しているか、年末調整はしてくれるか:アルバイト先に確認する
  • 掛け持ちや退職の予定はあるか:ある場合は、翌年に確定申告(還付申告を含む)が必要になったり、申告したほうが得になったりする可能性がある

税金の話は難しく聞こえますが、給与明細は身近な教材です。「この『所得税』って、何のために引かれていると思う?」と問いかけるだけで、税金・控除・社会保険の仕組みを、自分のお金の話として学ぶきっかけになります。

たくさん働いて稼ぐことと、家族全体で損をしないこと、そして学業との両立をどう考えるか。年収の壁は、親子でお金の話をする身近な題材です。

まとめ:2026年の高校生のバイト代は130万円と136万円を目安に

高校生のアルバイト収入には、住民税(2026年分は約119万円、翌年1月1日時点で18歳未満なら約209万円以下が非課税の目安)、健康保険の扶養(130万円未満)、扶養控除(2026年分136万円・2025年分123万円)、所得税(2026年分178万円・2025年分160万円)という4つの壁があります。特に意識したいのは、親の扶養に関わる130万円と136万円です。

壁を超えたら必ず損というわけではなく、家族全体の手取りで判断することが大切です。年の途中で辞めたり掛け持ちしたりして所得税が多く引かれていた場合は、確定申告(還付申告)で払いすぎた税金を取り戻せる可能性があります。

制度は2年続けて改正されており、今後も変わる可能性があります。次の給与明細が届いたら、今年いくら稼いだかを親子で一緒に確認するところから始めてみましょう。