親と子の「お金の現状」を見える化し、これから伸ばすポイントを確認できるツールです。
「うちはどれくらい、お金の知恵(リテラシー)が身についているんだろう?」
そう感じたときに役立つのが、親子で一緒に確認できる「診断チェックリスト」です。
この記事では、HORI塾+ならではの視点で、親御さん用・お子さん用の簡易チェック項目を用意しました。結果をどう活かせば「もっとハッピーな家計」に近づけるのか、そのヒントも紹介します。
HORI塾+式・親子金融リテラシー診断の考え方
「金融リテラシー診断」と聞くと、なんだか難しいテストのように感じるかもしれません。しかし、私が大切にしているのは、テストの点数よりも「今日から何ができるか」という前向きな視点です。
「知識」だけでなく、行動・習慣・会話の4軸で見る
単に言葉の意味を知っているかどうか(知識)だけでなく、実際にどうお金を扱っているか(行動)、無意識にできていることは何か(習慣)、そして親子でどれくらい本音で話せているか(会話)の4つの側面から、多角的に「家庭の力」を捉えます。
点数をつけるより「強み」と「伸びしろ」を見つける
他人と比べて何点だったかを競うことに意味はありません。
「うちは親子でお金の話がよくできている(強みだね!)」や「もう少し家計の様子を家族で見えるようにしてみよう(これからの伸びしろだね)」といった、これからの指針(ガイド)を見つけるための道具として活用してください。
チェックを「お金の話を始めるきっかけ」にする
「ねえ、一緒に診断してみようよ」と誘うことで、普段は少し切り出しにくいお金の話題を、ゲーム感覚でテーブルの上に乗せることができます。親子の「現在地」を共有することが、お互いの価値観を知り、共通の言葉を持つための第一歩になります。
親向けチェックリスト|お金の向き合い方編
まずは、お子様のお手本となる保護者の皆様の現状を振り返ってみましょう。完璧である必要はありません。今の自分を客観的に見つめるためのチェック項目です。
日常の行動・習慣に関するチェック項目
- 買い物の際、価格だけでなく「価値」を考えて選んでいるか
- レシートや家計簿アプリなどで、支出の全体像を把握しているか
- サブスクリプションや固定費の見直しを定期的に行っているか
- 自分のための「貯蓄」や「資産運用」の目的が明確になっているか
子どもへの関わり方・声かけに関するチェック項目
- 子どもに「お金がない」という拒絶ではなく、優先順位の話をしているか
- 子どもが買い物で迷ったとき、急かさずに「選ぶプロセス」を見守っているか
- お金の失敗をした子どもを責めず、一緒に解決策を考えているか
- 親自身の仕事について、感謝や苦労を含めて子どもに話す機会があるか
家計管理・将来設計への意識に関するチェック項目
- 「わが家が大切にしたい支出」の優先順位が家族で共有されているか
- 万が一の備え(予備費)について、大まかな準備ができているか
- 10年後、20年後のライフプランをぼんやりとでもイメージしているか
- 社会の仕組み(税金や社会保障など)について、知ろうとする姿勢を持っているか
子ども向けチェックリスト|お金の基本意識編
お子様が、お金という存在をどのように捉えているかを確認してみましょう。正解を求めるのではなく、今どのような「イメージ」を持っているかを知ることが目的です。
「お金はどこからくる?」に関する理解度チェック
- お金は「銀行の機械から無限に出てくるもの」だと思っていないか
- パパやママが仕事をすることで、その対価として得られるものだと理解しているか
- 商品やサービスには、それを作ったり提供したりする人がいることに気づいているか
「使う・貯める・分ける」のバランス感覚チェック
- お小遣いをもらったら、その日のうちに全部使い切っていないか
- 「今すぐ使いたいお金」と「将来のために取っておくお金」を区別できているか
- 自分のためだけでなく、誰かのために(プレゼントや寄付など)使う発想があるか
欲しいものとの付き合い方・計画性チェック
- 欲しいものを見つけたとき、一度立ち止まって「本当に必要か」を考えられるか
- 高価なものが欲しいとき、お小遣いを貯めて計画的に買おうとする姿勢があるか
- 値段を見て、自分の持っているお金で買えるかどうかを自分で判断できるか
親子共通チェック|家庭の“お金コミュニケーション”編
金融教育において最も重要なのは、具体的な知識よりも「話し合える環境」があるかどうかです。家族の心理的なハードルをチェックしてみましょう。
お金の話題がどれくらい日常会話に出ているか
- 買い物のとき、値段や選んだ理由を親子で会話しているか
- ニュースや広告を見て、お金の仕組みについて一言交わすことがあるか
- 夕食時などに、将来の夢ややりたいことと「お金」の話をセットですることがあるか
「聞いてはいけない雰囲気」がないかどうか
- 子どもがお金に関する質問をしたとき、大人が「子どもは知らなくていい」とはぐらかしていないか
- 親の給料や家計のことについて、子どもが興味を持ったときに、安心できる範囲で答えているか
- お金の話をすることが「卑しいこと」や「恥ずかしいこと」という空気感になっていないか
失敗や反省を“学び”として話せているか
- 無駄遣いをしてしまったとき、隠さずに「次はこうしよう」と親子で共有できているか
- 親自身の「買い物での失敗」を、笑い話や教訓として子どもに話せているか
- お金のトラブル(貸し借りなど)が起きたとき、叱るだけでなく「なぜ起きたか」を一緒に深掘りできているか
チェック結果の見方と簡単なスコアリングの目安
チェックが終わったら、現状を整理してみましょう。ここでは「正解か不正解か」ではなく、わが家の「傾向」を掴むことが目的です。
「できている」「ときどき」「まだ」の3段階でゆるく評価
厳密に点数化すると親子で息苦しくなってしまいます。まずは各項目を「できている(2点)」「ときどき(1点)」「これから(0点)」の3段階でゆるく評価してみましょう。「これから」の項目は、伸びしろがそれだけあるということです。
強みゾーン/伸ばしたいゾーンを色分けして把握する
「知識」「行動」「習慣」「会話」の4つの軸で、点数が高かった場所を「強み」、低かった場所を「伸ばしたい点」として色分けしてみます。例えば「会話は多いけれど、習慣化がまだ」といった、わが家独自のバランスが視覚的にわかります。
全体の点数より、「どこに偏りがあるか」を見る
大切なのは合計点ではありません。「親子でお金の話はできているけれど、具体的な家計管理の行動が伴っていない」など、偏りを知ることで、どこを重点的にサポートすればよいのかという「次の一手」が見えてきます。
結果から見える“親の次の一歩”
診断結果を、ただの結果で終わらせてはいけません。親御さんが明日から具体的に何を変えればいいのか、タイプ別の最初のアクションを提案します。
行動・習慣が弱い場合:まずは“ながら金融教育”から始める
「買い物のレジで一言声をかける」「レシートを一緒に見る」といった、今の生活を変えずにできることから始めましょう。わざわざ時間を作ろうとせず、日常の動作にお金の要素を「乗せる」だけで、少しずつ習慣は形作られていきます。
会話が少ない場合:週1回の「お金トークタイム」を決める
お金の話題に照れや抵抗がある場合は、タイミングを固定してしまいましょう。日曜日の夕食や、お風呂の中など、「この時はお金の質問をしていい時間」と決めてしまうことで、心理的なハードルが下がり、会話が生まれやすくなります。
将来設計が不安な場合:「家計の見える化」から手をつける
親自身が将来に不安を感じていると、子どもにもそれが伝わります。まずは、毎月の固定費や貯蓄額をアプリなどで整理し、「見える化」することから始めましょう。現状が把握できるだけで不安は軽減され、子どもに対しても「わが家の方針」を自信を持って語れるようになります。
結果から見える“子どもの次の一歩”
お子様のチェック結果に合わせて、今の発達段階にぴったりの「最初の一歩」を提示してあげましょう。無理をせず、階段を一段登るようなイメージで進めます。
基本理解が弱い場合:絵本・動画で「お金の存在」から
「お金はどうやって生まれるの?」といった根本的な理解がまだの場合は、知識を教え込むより、イメージを膨らませることが先決です。お金の歴史や流通を扱った絵本、あるいは分かりやすい解説動画を親子で一緒に楽しみ、「お金って不思議だね、面白いね」という好奇心を育てることから始めましょう。
使い方のバランスが気になる場合:おこづかいとリスト作りを導入
手元にあるとすぐ使ってしまう、あるいは使い道が偏る場合は、「おこづかい制」とセットで「欲しいものリスト」を作ってみるのが有効です。リストに書くことで客観的に自分の欲求を見つめ直し、「今すぐ買うもの」と「貯めて買うもの」を分ける練習になります。
計画性が弱い場合:小さな目標貯金を親子で設定する
先のことを考えるのが苦手なお子様には、数日〜1週間程度で達成できる「超短期の目標貯金」がおすすめです。「週末に大好きなお菓子を買うために、30円ずつ貯めてみよう」といった、成功体験がすぐに得られる設計にすることで、計画を立てる楽しさを実感させます。
親子診断を“イベント”にする活用アイデア
この診断を「一度きりのテスト」で終わらせるのはもったいないことです。家族の恒例行事にすることで、お金に対する意識は確実に定着していきます。
1年に1〜2回「金融リテラシー点検デー」をつくる
お正月や誕生日、進級のタイミングなど、家族が集まる時期を「点検デー」に設定しましょう。定期的にチェックすることで、「前よりこれができるようになったね」と、家族の変化を定点観測することができます。
過去のチェックシートを残して「成長アルバム」にする
記入したシートは捨てずに、クリアファイルなどに保管しておきましょう。1年前のシートを見返したとき、お子様の考え方が大人びていたり、親自身の関わり方が変わっていたりすることに気づくはずです。それは、家族が共に歩んできた立派な「成長の記録」になります。
結果を責める材料ではなく、「次の作戦会議」のネタにする
「ここがダメだったね」と反省会をするのではなく、「じゃあ、次はどういう作戦でいこうか?」と未来の話をしましょう。診断結果は、家族がもっとハッピーにお金と付き合うための「作戦会議の資料」にすぎません。
まとめ|診断は“できていない”を探すものではなく“伸びしろ”を見つけるツール
「わが家のリテラシーは低いのではないか」と不安になる必要は全くありません。
この診断の目的は、欠点を探して自分たちを採点することではなく、今まで気づかなかった「わが家の伸びしろ」を発見することにあります。一つでも「これからやってみたいこと」が見つかったなら、その診断は大成功です。
完璧な親、完璧な子どもを目指すのではなく、今の自分たちの現在地を面白がりながら、一歩ずつ進んでいく。そんな「一緒に学ぶ姿勢」こそが、HORI塾+が最も大切にしている金融教育の本質です。今日見つけた小さな一歩を、ぜひ親子で楽しんで踏み出してみてください。





