子どものクリスマスプレゼント予算相場|親子で決める方法

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堀 智紀(塾長)|現役学習塾経営者・FP3級取得。宮崎市で「15歳からはじめるお金の勉強」をコンセプトにHORI塾+を運営。
教育者という中立の立場から、お金の知識を発信しています。

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「今年のクリスマスプレゼント、いくらまでにしようか」——12月が近づくと、多くの家庭でこうした相談が始まります。

クリスマスプレゼントの予算には決まった基準がなく、周りの家庭がいくらかけているのかも見えにくいものです。さらに年末は、帰省や年越しの準備、年明けのお年玉など、まとまった出費が重なる時期でもあります。なんとなく決めた金額が毎年少しずつ上がり、気づけば家計の負担になっていたということも起こりがちです。

小学生・中学生のクリスマスプレゼントの予算の目安と、子どもと一緒に予算を決める方法を整理します。サンタクロースを信じている年齢の子どもへの配慮にも触れながら、クリスマスを、親子でお金について考える機会にするための考え方をお伝えします。

クリスマスプレゼントの予算、毎年いくら使えばいいか迷っていませんか?

クリスマスプレゼントの予算は、誰かが基準を決めてくれるものではないため、毎年のように悩む家庭が少なくありません。まずは一般的な予算の目安を確認したうえで、きょうだいや祖父母からのプレゼントとの兼ね合い、そして家庭ごとの考え方について整理していきます。

小学生・中学生別に見る、クリスマスプレゼントの予算の目安

クリスマスプレゼントの予算については、官公庁による統計はなく、玩具メーカーなどの民間調査が主な目安になります。株式会社バンダイが2025年10月に、3〜12歳の子どもを持つ保護者600人を対象に実施した調査では、クリスマスプレゼントの予算の平均は8378円でした。

同じ調査で、最も多かった価格帯は5000円以上6000円未満で、次いで1万円以上2万円未満が多いという結果でした。平均額だけを見ると高めに感じるかもしれませんが、5,000円台から2万円未満の範囲に、回答が多く集まっていることがうかがえます。

年齢別の予算について公的な統計はありませんが、目安としては次のように考えられます。

  • 未就学児から小学校低学年:5000円前後のおもちゃや本を選ぶ家庭が多い
  • 小学校高学年:ゲームソフトや趣味の道具など、1万円前後のものが増えてくる
  • 中学生:調査は少ないものの、欲しいものの価格が上がり、1万円を超えることも珍しくない

また、同じ調査では、前年から予算を変えていない家庭が7割を超えていました。毎年少しずつ金額を上げなければならないと感じる必要はなく、家庭で決めた金額を続けている家庭が多いことも、知っておくと安心材料になります。

参考:バンダイこどもアンケートレポート Vol.263 クリスマスに関する調査

きょうだい・祖父母からのプレゼントとの兼ね合いはどう考える?

クリスマスプレゼントの予算を考えるときに見落としやすいのが、親以外からのプレゼントとの兼ね合いです。祖父母や親戚からもプレゼントが届く家庭では、子どもが受け取る総額が、親が想定している以上に大きくなっていることがあります。

祖父母からのプレゼントについては、次のような点を事前に話し合っておくと、重複や予算の偏りを防ぎやすくなります。

  • 誰が何を贈るのか、大まかな役割分担を決めておく
  • 高額なものを贈りたいという申し出があった場合は、子どもの年齢や家庭の方針を伝えておく
  • プレゼントの数が多くなりすぎないよう、品物の代わりに体験や図書カードなどを提案する

きょうだいがいる家庭では、金額を揃えるか、年齢や欲しいものに合わせて変えるかで迷うこともあるでしょう。どちらを選んでも構いませんが、金額に差がある場合は、その理由を子どもに説明できるようにしておくことが大切です。「年齢が上がると、欲しいものの値段も上がるから」といった理由が共有されていれば、多少の差があっても、子どもは納得しやすくなります。

予算に正解がない理由――家庭の価値観と家計のバランスが大切

ここまで目安を紹介してきましたが、クリスマスプレゼントの予算に唯一の正解はありません。家計の状況や子どもの人数、日頃のお小遣いの額、プレゼントに込める思いなど、判断の材料は家庭によって大きく異なるからです。

予算を考えるときは、周りの家庭の金額に合わせるよりも、次のような視点で自分たちの基準を持つことをおすすめします。

  • 年末年始の出費全体の中で、クリスマスにどのくらい使えるか
  • 誕生日やお年玉など、年間のほかのお祝いとのバランスが取れているか
  • 品物の値段よりも、どんな気持ちで贈りたいか

高価なプレゼントでなければ、子どもが喜ばないというわけではありません。家庭として大切にしたい価値観と、無理のない家計のバランスを両立させることが、毎年納得して予算を決めるための土台になります。次の章では、予算を親だけで決めてしまうことの落とし穴について考えていきます。

参考:バンダイこどもアンケートレポート Vol.263 クリスマスに関する調査

クリスマスプレゼントの予算を「親だけで決める」ことの落とし穴

クリスマスプレゼントの予算は、親が家計を考えて決めるのが自然な流れです。ただ、子どもにまったく伝えないまま決め続けていると、気づかないうちにいくつかの落とし穴が生まれることがあります。ここでは、親だけで予算を決めることで起きやすいことと、年齢に合わせた伝え方を整理します。

子どもに金額を伝えないと起きやすい金銭感覚のズレ

子どもにとって、クリスマスプレゼントは「欲しいものを伝えれば届くもの」と映りやすいものです。予算の存在を知らないまま毎年プレゼントを受け取っていると、欲しいものの値段と、家族が用意できる金額との間に、大きなズレが生まれることがあります。

このズレは、次のような形で表れやすくなります。

  • 高額なゲーム機や電子機器を、ほかのおもちゃと同じ感覚でお願いしてしまう
  • 希望どおりのものが届かなかったときに、理由が分からず不満だけが残る
  • 年齢が上がっても、物の値段を比べて考える機会が少ないままになる

これは子どものわがままというより、判断するための情報がないことが原因です。金額をそのまま伝えるかどうかは年齢によって変わりますが、プレゼントには限られた予算があるという事実を、少しずつ知っていくことが金銭感覚を育てる出発点になります。

年末は出費が重なる時期——お年玉まで見据えた予算の考え方

クリスマスプレゼントの予算を単独で考えてしまうのも、親だけで決めるときに起こりやすい落とし穴です。12月から1月にかけては、クリスマスに加えて、帰省の交通費、年末年始の食費、親戚の子どもへのお年玉など、まとまった出費が短い期間に集中します。

この時期の予算を考えるときは、次のようにまとめて見通しを立てておくと安心です。

  • 12月から1月までの出費を書き出し、年末年始の予算の総額を決めておく
  • その総額の中で、クリスマスプレゼントにいくら使うかを割り振る
  • 子どもがお年玉を受け取る予定がある場合は、クリスマスとお年玉を合わせて考える

特に、クリスマスとお年玉はわずか1週間ほどの間に続くイベントです。クリスマスで欲しいものをすべてかなえるのか、一部はお年玉で自分で買うことにするのかを考えておくと、年末年始を通じて無理のない予算になります。

サンタを信じている子・卒業した子、それぞれの予算の伝え方

予算を子どもと共有したいと思っても、サンタクロースを信じている年齢の子には、金額の話をそのまま伝えにくいものです。子どもの夢を大切にしながら、年齢に応じて伝え方を変えていきましょう。

サンタクロースを信じている子には、金額を直接伝える必要はありません。その代わりに、次のような形で、限りがあることを自然に伝えることができます。

  • 「サンタさんへのお願いは、1つに絞って書こうね」と、数に限りがあることを伝える
  • 欲しいものが複数ある場合は、どれがいちばん欲しいかを一緒に考える
  • 高価なものをお願いしたときは、「それは誕生日にお願いしようか」と、ほかの機会を提案する

一方、サンタクロースを卒業した子には、プレゼントの予算を少しずつ具体的に共有していく段階に入ります。「今年は〇〇円くらいまでで選ぼう」と金額の目安を伝え、その範囲の中で欲しいものを考えてもらうことで、予算内で選ぶ経験を積むことができます。

どちらの場合も、大切なのは、使えるお金には限りがあり、その中から選ぶという感覚を、無理のない形で伝えていくことです。次の章では、子どもと一緒に予算を決める具体的なステップを紹介します。

クリスマスプレゼントの予算を子どもと一緒に決める3ステップ

ここからは、クリスマスプレゼントの予算を子どもと一緒に決めるための具体的な手順を紹介します。主にサンタクロースを卒業した年齢の子を想定していますが、信じている子にも、ステップ2の考え方は取り入れることができます。

ステップ1:家計の一部を見える化して予算の根拠を伝える

最初のステップは、予算の金額だけでなく、なぜその金額なのかという根拠を子どもに伝えることです。理由が分からないまま金額だけを伝えられると、子どもは「少ない」「ケチだ」と感じやすくなります。

根拠を伝えるときは、家計のすべてを見せる必要はありません。子どもが理解しやすい範囲で、次のような情報を共有するとよいでしょう。

  • 12月から1月にかけて、クリスマス以外にどのような出費があるか
  • 年末年始の予算の中で、クリスマスプレゼントに充てる金額
  • 誕生日やお年玉など、年間のほかのお祝いとのバランス

たとえば「今年はお正月に帰省するから、クリスマスはこの金額にしたよ」と伝えるだけでも、子どもは予算が家族全体の事情の中で決まっていることを理解しやすくなります。金額の多い少ないよりも、家族の予算の一部として決めたことを伝えるのがポイントです。

ステップ2:欲しいものリストで優先順位をつける

予算が決まったら、次は欲しいものを書き出し、優先順位をつけていきます。クリスマスの時期は広告やおもちゃ売り場で目に入る商品が増えるため、欲しいものが次々と増えていきがちです。一度紙に書き出すことで、本当に欲しいものが見えてきます。

リストを作るときは、次の手順で進めるとスムーズです。

  • 欲しいものを思いつく限り書き出す
  • それぞれの値段を一緒に調べて、横に書き添える
  • 予算内に収まるものと、収まらないものに分ける
  • 予算内のものの中で、欲しい順に番号をつける

サンタクロースを信じている子の場合は、値段を調べる代わりに、「サンタさんへの手紙に書くのは1つにしよう」と伝え、リストの中から一番欲しいものを選んでもらう形にするとよいでしょう。どちらの場合も、たくさんの候補の中から選ぶ過程そのものが、優先順位を考える練習になります。

ステップ3:予算内で1つに決め、選んだ理由を言葉にする

最後のステップは、優先順位をもとにプレゼントを1つに決め、その理由を子ども自身の言葉で説明してもらうことです。選んだ理由を言葉にすることで、なんとなく欲しいものを選ぶのではなく、自分で考えて決めたという実感が生まれます。

理由を聞くときは、次のような問いかけが役立ちます。

  • 「どうしてそれを一番に選んだの?」
  • 「それを使って、どんなことをしたい?」
  • 「選ばなかったものは、いつか欲しくなったらどうする?」

選ばなかったものについて話し合うことも大切です。誕生日まで待つのか、お年玉やお小遣いを貯めて自分で買うのかを考えることで、欲しいものを手に入れる方法は一つではないことを学べます。

予算内で選び、その理由を自分の言葉で語る経験は、将来、限られたお金の中で何を優先するかを判断する力につながります。次の章では、予算オーバーを防ぎながら、子どもが納得できるプレゼントの選び方を考えていきます。

予算オーバーを防ぎながら子どもが納得するプレゼントの選び方

予算を決めても、子どもの欲しいものが予算を超えてしまうことはよくあります。ここでは、予算オーバーを防ぎながら、子どもが納得してプレゼントを選べるようにするための考え方と工夫を紹介します。

「高いものほど喜ぶ」は本当か?価格と満足度の関係を考える

「せっかくのクリスマスだから、少し高くても喜ぶものを」と考える親は少なくありません。しかし、プレゼントの値段と、子どもが感じる満足度は、必ずしも比例するわけではありません。

子どもが長く大切にするプレゼントには、次のような特徴が見られることがあります。

  • 子ども自身が本当に欲しいと思って選んだもの
  • 繰り返し遊べる、使える、続けて楽しめるもの
  • 家族や友達と一緒に楽しめるもの

反対に、高価なものでも、一時の流行で選んだものや、親が良かれと思って選んだものは、すぐに使われなくなってしまうこともあります。

子どもと一緒に、「これを買ったら、どのくらい長く使いそう?」と考えてみることは、値段だけでなく、使う期間や楽しみ方を含めて価値を考える練習になります。価格と満足度の関係を考える経験は、将来、自分のお金で買い物をするときの判断にもつながっていきます。

差額は自分で出すルールを取り入れるメリット

欲しいものが予算を少しだけ超えている場合に役立つのが、予算を超えた分は自分のお金で出すというルールです。親が用意する金額は変えずに、差額を子どものお小遣いや貯金から出してもらう方法です。

このルールには、次のようなメリットがあります。

  • 親が決めた予算を守りながら、子どもの希望にも応えられる
  • 自分のお金を出す分、本当に欲しいかどうかを真剣に考えるようになる
  • 自分でお金を出して手に入れたものは、愛着を持って大切に使いやすい

ただし、差額の金額が大きくなりすぎると、子どもの貯金がなくなってしまったり、負担に感じてしまったりすることがあります。差額の上限をあらかじめ決めておくことや、子どもの年齢やお小遣いの額に合わせて無理のない範囲にすることが大切です。

また、サンタクロースを信じている年齢の子にはなじまないルールのため、取り入れるのはサンタクロースを卒業した後を目安にするとよいでしょう。

クリスマスからお年玉へ——年末年始のお金の使い方を親子で計画する

クリスマスが終わると、すぐにお正月がやってきます。お年玉を受け取る子どもにとって、クリスマスからお年玉までの期間は、一年の中でもまとまったお金や物が手に入る特別な時期です。この流れを、親子で一緒に計画する機会にしてみましょう。

計画を立てるときは、次のような流れで考えると整理しやすくなります。

  • クリスマスプレゼントで選ばなかった欲しいものを、リストに残しておく
  • お年玉を受け取ったら、そのリストの中から買うものを考える
  • お年玉の一部は貯めておき、次の欲しいものや将来のために残す

クリスマスとお年玉を別々のイベントとして考えるのではなく、年末年始を一つのまとまりとして計画することで、欲しいものを一度に手に入れようとせず、時期を分けて手に入れるという考え方を身につけることができます。

年末年始は、子どもにとってお金や物の流れを実感しやすい時期です。この機会を活かして、親子で計画を立て、振り返る習慣をつけていくことが、一年を通したお金の教育の出発点になります。

まとめ:クリスマスプレゼントの予算決めを、親子でお金を学ぶ機会に

クリスマスプレゼントの予算は、民間調査では平均8,378円で、5,000円台から2万円未満の範囲に回答が多く集まっていますが、正解は家庭ごとに異なります。大切なのは、周りに合わせることではなく、年末年始の出費やお年玉まで見据えて、自分たちの基準を持つことです。

予算を親だけで決めず、サンタを信じている子には数に限りがあることを、卒業した子には金額の目安を伝えながら、欲しいものリストで優先順位をつけて一緒に選んでいきましょう。差額ルールやお年玉との計画も取り入れれば、クリスマスは楽しいイベントであると同時に、親子でお金を学ぶ機会になります。