「奨学金って給付型と貸与型があるって聞いたけど、何がどう違うのかよくわからない…」と感じていませんか?
とりあえず奨学金を申し込んでおけばいいという感覚で手続きを進めてしまい、後から全額返さないといけないのか・利息がこんなにかかるとは思わなかったという状況になるケースが実際に多く報告されています。奨学金の種類・仕組み・返済条件を正確に理解しないまま借りることが、社会に出てからの返済トラブルの大きな原因です。
給付型・第一種・第二種という奨学金の種類によって、返済の有無・利息の有無・採用基準がまったく異なります。どの奨学金を・いくら・どの組み合わせで使うかという判断が、卒業後の10〜20年にわたる返済生活を左右します。進学前に親子で正確に理解しておくことが、将来の後悔を防ぐ重要な準備です。
この記事では、次の3つを解説します。
- 給付型・第一種・第二種という奨学金の種類ごとの仕組みと、返済額・利息の違いの具体的な数字
- それぞれの採用基準と申請タイミング・予約採用という制度の使い方
- わが家に合った奨学金の選び方と、借りる前に親子で確認すべきポイント
塾を経営していると、進学後に奨学金の仕組みをちゃんと理解していなかったと気づく若者の話を聞くことがあります。知識を持って借りるのとなんとなく借りるのでは、同じ金額でも意味がまったく違います。一緒に確認していきましょう。
奨学金を選ぶ前に知っておきたい「給付型と貸与型」の根本的な違い
奨学金を検討するとき、最初に理解すべきなのがもらえるお金か・借りるお金かという根本的な違いです。この違いを正確に把握しないまま手続きを進めることが、後々のトラブルにつながります。
返さなくていいのが給付型|でも誰でももらえるわけではない理由
給付型奨学金は返済不要の奨学金です。卒業後に返す義務がなく、文字通りもらえるお金として活用できます。しかし返さなくていいならとりあえず申し込もうという考え方では採用されません。明確な採用基準があり、条件を満たさなければ受け取れません。
日本学生支援機構の給付型奨学金の採用基準
給付型奨学金の主な対象は、住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯の学生です。世帯収入の目安や詳細な条件は年度によって変更される場合があります。
収入基準に加えて、高校での学習状況・学習意欲という学力基準も設けられています。勉学に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあることという要件が求められるため、成績や学習態度も採用に影響します。
給付型奨学金の支給額の目安
支給額は進学先の種類(国公立・私立)・通学形態(自宅・自宅外)・世帯収入の区分によって異なります。月額2〜7万円程度が目安ですが、区分によって大きく変わるため、自分の家庭がどの区分に該当するかを早めに確認することが重要です。
貸与型は「借金」という現実|子どもが社会に出てから背負う金額を試算してみよう
貸与型奨学金は返済が必要な借金です。もらえるお金という感覚で借りてしまうことが、社会に出てからの返済トラブルの大きな原因になります。具体的な数字で、卒業後に背負う金額を確認しておきましょう。
第一種(無利子)の返済試算
自宅外通学・私立大学で第一種奨学金を月5万円借りた場合、4年間の借入総額は約240万円になります。無利子のため返済総額も同額ですが、一般的に卒業後20年かけて返済するため、月々の返済額は約1万円程度になります(返済額・期間は条件によって異なります)。
第二種(有利子)の返済試算
月8万円を4年間借りた場合の借入総額は384万円です。第二種奨学金の利率は貸与終了月に決定するため、借りるときには正確な利率はわかりません。2025年3月に貸与終了した場合の利率は1.641%で、返済期間15年という条件で計算すると、利子を含めた総返済額は約435万円程度になります。月々の返済額は約2万4,000〜2万5,000円程度で、手取り月収20万円の社会人1年目なら収入の12〜13%程度が毎月返済に消える計算です。
社会人になれば返せるという楽観は、具体的な計算をしていない状態から来ていることがほとんどです。月々2万円以上の返済が10〜20年続くという現実を、借りる前に親子で数字として確認しておくことが、返済トラブルを防ぐ重要な準備になります。
給付型・貸与型どちらが多い?奨学金の全体像を親子で把握しよう
奨学金=返済不要のものというイメージを持っている方は少なくありませんが、実態は貸与型の利用者が大多数を占めています。この現実を正確に知った上で奨学金を検討することが、計画的な選択につながります。
奨学金利用者の実態
JASSOの令和4年度支援実績によると、大学学部における奨学金(給付・貸与)受給者の割合は32.3%です。また、学生自身の申告による調査では約2人に1人が何らかの奨学金を利用していると回答しています。給付型奨学金は収入基準・学力基準という条件があるため利用者は限られており、多くの学生が貸与型奨学金を利用しているのが現状です。
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種類 |
返済 |
利息 |
主な対象 |
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給付型 |
不要 |
なし |
低所得世帯・学力基準あり |
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貸与型・第一種 |
必要 |
なし(無利子) |
学力・収入基準あり |
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貸与型・第二種 |
必要 |
あり(有利子) |
第一種より緩やかな基準 |
日本学生支援機構の奨学金以外にも、地方自治体・民間財団・大学独自の奨学金という選択肢があります。返済不要の給付型制度は複数の機関が設けているため、JASSOだけが奨学金という思い込みを捨てて幅広く情報を集めることが、返済負担を抑えるための現実的なアプローチです。
まず給付型で対象になる制度を最大限探し、不足分を第一種・第二種という順番で検討することが、奨学金選択の基本的な優先順位になります。
貸与型奨学金の「第一種・第二種」は何が違う?仕組みと条件を正しく理解する
給付型と貸与型の違いを把握した上で、多くの学生が実際に利用する貸与型奨学金の第一種・第二種という2種類の違いを正確に理解することが、借りすぎを防ぐための重要な知識になります。
第一種は無利子だが審査が厳しい|成績・家計基準の実態とは
第一種奨学金の大きな特徴は無利子という点です。借りた金額をそのまま返せばよく、利息という追加コストが発生しません。長期間・高額を借りる奨学金において、無利子という条件は返済総額に大きな差をもたらします。
学力基準
第一種奨学金には、高等学校等における全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上であることという学力基準が設けられています。ただし、評定平均値が3.5未満でも、生計維持者が住民税非課税等の条件に該当し、将来の目標と学修意欲が認められる場合は学力基準の緩和が適用されます。在籍する学校の状況によって異なる場合もあるため、詳細は日本学生支援機構の公式サイトでご確認ください。
家計基準
家計基準は世帯収入・世帯人数・通学形態によって判定されます。給付型より収入上限は高く設定されていますが、第二種より厳しい水準になっています。収入が基準を超えている場合は採用されないため、事前に自分の家庭が対象になるかを確認することが重要です。
同じ金額を借りた場合、第一種なら無利子・第二種なら有利子という差は、借入額が大きくなるほど返済総額の差に直結します。採用基準を満たす可能性があるなら、まず第一種を優先的に申し込むことが、将来の返済負担を抑える基本的な判断です。
第二種は利子付きだが採用されやすい|利息がいくらになるか計算してみよう
第二種奨学金は第一種より採用基準が緩やかな反面、卒業後の返済に利息が加算されるという点が大きな違いです。利息がいくらになるかを事前に計算しておくことが、借りる金額を判断する上で欠かせない知識です。
第二種の採用基準
学力基準は高校の成績が平均水準以上であることという目安で、第一種より緩やかに設定されています。家計基準も第一種より収入上限が高く、幅広い家庭が対象になります。第一種の基準を満たさない場合でも、第二種なら採用される可能性があるという点で、進学のための資金確保という意味では現実的な選択肢になります。
利率の仕組みと種類
第二種奨学金の利率には「利率固定方式」と「利率見直し方式」という2種類があります。利率固定方式は貸与終了時に決定した利率が返済終了まで変わらない方式で、利率見直し方式は5年ごとに利率が見直される方式です。上限利率は年3%と定められています。
2025年3月に貸与終了した場合の利率固定方式の適用利率は1.641%です。月8万円を4年間借りた場合(借入総額384万円)を、この利率・返済期間15年という条件で計算すると、利息総額は約51万円程度になります(概算)。同じ条件で利率が年1%になると利息総額は約30万円程度・年2%では約60万円程度になります(いずれも概算)。
借入総額が大きいほど・返済期間が長いほど利息の絶対額は膨らみます。いくら借りると利息がいくらになるかという計算を、借りる前に必ず行うことをおすすめします。
第一種と第二種は併用できる?知らないと損する組み合わせのルール
第一種だけでは進学費用が足りない・でも第二種だけ借りると利息がかかるという状況のとき、第一種と第二種を併用するという選択肢があります。このルールを知っているかどうかで、資金計画の柔軟性が大きく変わります。
日本学生支援機構の奨学金では、第一種と第二種を同時に受け取る「併用貸与」という制度があります。第一種(無利子)で一定額を確保しながら、不足分を第二種(有利子)で補うという組み合わせが可能です。
併用する場合の家計基準
ただし併用貸与には単体での申込より厳しい家計基準が設けられています。第一種単体なら採用されるが、併用貸与の基準は満たさないというケースもあるため、事前に確認が必要です。
「必要最低限の金額だけ借りる」という考え方
第一種と第二種を組み合わせる場合も、借りられる上限額まで借りることが最善ではありません。卒業後の想定収入に対して月々の返済額が家計を圧迫しない水準かどうかを基準に、借りる金額を判断することが重要です。
特に第二種は採用されやすい・月額の上限が高いという特性から、安易に借り増しをしてしまうリスクがあります。第一種で確保できる金額を土台に、本当に不足する分だけを第二種で補うという考え方が、返済負担を最小化する現実的なアプローチです。
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比較項目 |
第一種 |
第二種 |
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利息 |
なし(無利子) |
あり(上限年3%) |
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採用基準(学力) |
評定平均3.5以上が目安 |
平均水準以上が目安 |
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採用基準(家計) |
厳しめ |
緩やか |
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月額の目安 |
2〜6.4万円程度 |
2〜12万円程度 |
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併用 |
第二種との併用可能 |
第一種との併用可能 |
※金額・基準は条件・年度によって異なります。最新情報は日本学生支援機構公式サイトでご確認ください。
給付型奨学金の選び方|日本学生支援機構以外にも選択肢がある
給付型奨学金というと日本学生支援機構(JASSO)のものが広く知られていますが、地方自治体・民間財団・大学独自という複数の給付型制度が存在します。これらを知っているかどうかで、返済不要の資金を受け取れる可能性が大きく変わります。
高校生のうちから動くべき理由|給付型は申請タイミングが合否を左右する
給付型奨学金で見落とされがちなのが、申請のタイミングという要素です。進学が決まってから申し込めばいいという感覚でいると、申請の機会を逃してしまうケースがあります。
予約採用という制度を使い倒す
日本学生支援機構の給付型奨学金には、高校在学中に申し込める「予約採用」という制度があります。高校3年生の春から夏にかけて学校経由で申請の機会があり、大学入学前に採用内定を受けられるという仕組みです。
予約採用を使うメリットは、進学の資金見通しが入学前に立てられるという点です。採用されるかどうかわからないまま進学を決めるという不安を減らせるため、進路選択に余裕が生まれます。入学後に申し込む「在学採用」より早く動くことで、入学時の費用準備にも活用しやすくなります。
民間財団・大学独自の給付型は締め切りが早い
日本学生支援機構以外の給付型奨学金は、募集期間が限られていることが多く、高校2〜3年生の段階から情報収集を始めないと締め切りに間に合わないケースがあります。大学に入ってから調べようという後回しが、大きな機会損失につながります。
次の3つの行動が、給付型奨学金を最大限活用するためのタイムラインになります。
- 高校2年生の段階でどんな給付型奨学金があるかを調べ始める
- 高校3年生の春に予約採用の申請時期を学校に確認する
- 進学予定の大学の独自奨学金の募集要項を入学前に確認する
地方自治体・民間財団の給付型奨学金|見落としがちな穴場の探し方
給付型は難しい・自分には無理と思い込んでいる方ほど、地方自治体や民間財団の給付型奨学金という選択肢を見落としているケースが多いです。JASSOの基準を満たさない場合でも、別の制度で対象になることがあります。
地方自治体の給付型奨学金
都道府県・市区町村が独自に設けている給付型奨学金制度があります。JASSOの収入基準より条件が緩やかなケース・地域出身者を対象にした制度・特定の進路(地元就職など)を条件にした制度など、自治体によって特色が異なります。
まず居住している都道府県・市区町村の公式サイトで「奨学金」を検索することが最初のステップです。意外と知られていない制度が存在することがあります。
民間財団の給付型奨学金
企業・財団・NPOという民間組織が設ける給付型奨学金も多数存在します。分野・特技・出身地・家庭環境という特定の条件を対象にしたものが多く、JASSOの所得基準を満たさない家庭でも対象になりうる制度があります。
民間財団の奨学金を探す方法として、以下の3つが現実的な入り口になります。
- 日本学生支援機構が提供する「奨学金検索システム」
- 各都道府県の教育委員会の情報
- 高校の進路指導室への相談
大学独自の奨学金
多くの大学が独自の給付型奨学金制度を設けています。入学試験の成績優秀者への特待生制度・家計基準を設けた独自給付型など、内容は大学によって大きく異なります。志望校の入学案内・公式サイトの奨学金ページを確認することで、思わぬ制度を発見できることがあります。
給付型奨学金は複数の制度を併用できる場合があります。JASSOの給付型と民間財団の奨学金という組み合わせが認められるかどうかは制度ごとに異なるため、各制度の要件を事前に確認することが重要です。
給付型を受け取るために今から準備できること|小中学生の親がすべき具体的なステップ
うちの子はまだ小学生・中学生だから奨学金の話は先でいいという考え方は、実はもったいない先送りです。給付型奨学金の採用に影響する要素の多くは、高校入学前の段階から積み上げるものだからです。
ステップ①:学習習慣と成績を継続的に維持する
給付型・第一種奨学金の採用基準には学力基準が含まれています。高校での評定平均値が採用の判断材料になるため、中学校段階での学習習慣の定着と成績の維持が、高校入学後の奨学金採用に直結します。
奨学金のために勉強するという発想より、しっかり学ぶことが将来の選択肢を広げるという視点で、学習習慣を日常に組み込んでいくことが長期的には有効です。
ステップ②:家計の状況を大まかに把握しておく
給付型奨学金の採用基準となる世帯収入の目安を知った上で、わが家は対象になりそうかという見当をつけておくことが重要です。収入が基準ギリギリの場合、世帯収入の変動(転職・退職・兄弟の進学など)が採用可否に影響することもあるため、家計の変化を見通した上で奨学金の計画を立てることが必要です。
ステップ③:高校の進路指導室を早めに活用する
高校に入学したら、1〜2年生の段階から進路指導室の先生に奨学金について知りたいと相談することをおすすめします。予約採用の申請時期・必要書類・学校側の手続きという情報は、進路指導室が最も正確に把握しています。
情報収集を学校任せにするのではなく、親が能動的に動くことが、タイミングを逃さない確実な対策になります。
ステップ④:複数の制度を比較したリストを作る
JASSO・地方自治体・民間財団・大学独自という複数の給付型制度を一覧にして比較するリストを、高校2年生の段階までに作成しておくことをおすすめします。制度ごとの採用基準・申請時期・支給額・条件を整理することで、漏れなく申請できる体制が整います。
親子で奨学金を正しく選ぶための判断基準|後悔しない選び方のポイント
奨学金の種類と仕組みを理解した上で、わが家はどれを・いくら・どう組み合わせるかという具体的な判断に進みます。後悔しない選び方のポイントを整理します。
「とりあえず貸与型」は危険|返済額シミュレーションを親子で必ず確認しよう
とりあえず借りておけば安心という感覚で貸与型奨学金を申し込むことが、卒業後の返済生活を長期にわたって苦しくする大きな原因になります。借りる前に必ず返済額のシミュレーションを行うことが重要です。
返済シミュレーションで確認すべき3つの数字
第一に借入総額です。月々の借入額×12か月×在学年数という計算で、大学卒業時点での借入総額が確認できます。月5万円なら大したことないという感覚でいても、4年間の合計は240万円になります。
第二に月々の返済額です。日本学生支援機構の公式サイトでは返済シミュレーターが提供されており、借入額・利率・返済期間を入力するだけで月々の返済額と総返済額が計算できます。卒業後の手取り収入の何%が毎月返済に消えるかを確認することが、借りすぎを防ぐための現実的な判断基準です。
第三に総返済額です。特に第二種奨学金の場合、利率と返済期間によって元本に数十万円の利息が上乗せされることを、親子で数字として確認しておくことが重要です。
「月々の返済額が手取りの10〜15%以内」を目安にする
卒業後の想定手取り月収に対して、奨学金の月々返済額が10〜15%を超える場合は借りすぎのサインです。家賃・食費・光熱費という生活費に加えて返済が重なると、社会人1〜2年目の生活を著しく圧迫します。借りられる上限ではなく返せる上限を基準に借入額を決めることが、後悔しない奨学金選びの核心です。
世帯収入と進路希望から逆算する|わが家に合う奨学金の選び方フローチャート
どの奨学金を選べばいいかという判断は、世帯収入・進路の希望・家庭の貯蓄状況という3つの要素を組み合わせて考える必要があります。以下のフローチャートを参考に、わが家に合った選択肢を確認してみましょう。
ステップ①:給付型の対象になるかを確認する
まず住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯かどうかを確認します。対象になる可能性がある場合、JASSOの給付型奨学金・修学支援新制度への申請を最優先で検討します。給付型を最大限活用することが、返済負担ゼロで進学資金を確保するための有力な選択です。
ステップ②:給付型の対象外の場合は第一種を検討する
給付型の所得基準を超える場合でも、第一種奨学金(無利子)の対象になりうるかを確認します。学力基準・家計基準を満たす可能性があるなら、第一種を優先的に申し込むことで利息コストをゼロにできます。
ステップ③:第一種だけでは不足する場合に第二種を検討する
第一種で確保できる金額と、家庭の貯蓄・教育費積立を合計してもなお進学費用が不足する場合に、第二種奨学金を不足分だけ借りるという判断をします。借りられる上限まで借りるのではなく、卒業後の返済シミュレーションで問題ない金額に絞ることが重要です。
ステップ④:地方自治体・民間財団の給付型も並行して調べる
どのステップの段階でも、JASSO以外の給付型奨学金を並行して調べることをおすすめします。条件が合致すれば返済不要の資金を上乗せできるため、貸与型の借入額を減らすことができます。
世帯収入が低めの場合
- 給付型(JASSO・自治体・民間財団)を最優先で確認
- 不足分を第一種(無利子)で補う
- さらに不足する場合のみ第二種(有利子)を最小限借りる
世帯収入が中程度の場合
- 第一種(無利子)の対象になるかを確認
- 対象外の場合は第二種(有利子)を返済シミュレーションで判断
- JASSO以外の給付型も並行して調べる
奨学金に頼りすぎないために今からできる教育費の備え方
奨学金は進学のための重要な選択肢ですが、奨学金があるから大丈夫という安心感が、教育費の事前準備を後回しにさせることがあります。奨学金への依存度を下げるために、今からできる備えを整理します。
児童手当を全額積み立てる
2024年10月の制度改正により、児童手当は所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代(18歳年度末)まで延長されました。受け取った児童手当を生活費に充てずにそのまま積み立てることで、教育費の土台を作ることができます。受け取った児童手当を全額積み立てる習慣を持つだけで、まとまった金額の備えが自動的にできていきます。
新NISAで長期運用する
大学入学まで10年以上ある場合は、新NISAのつみたて投資枠を活用した長期積立が有効な選択肢になります。元本割れリスクはありますが、長期運用によってインフレに対抗しながら教育費を準備するという観点で、現実的なアプローチになります(将来の運用成果を保証するものではありません)。
「奨学金ゼロ」を目指す必要はない
奨学金を一切使わないことが理想というわけではありません。第一種奨学金(無利子)を計画的に活用しながら、家庭の貯蓄と組み合わせることで、無理のない資金計画が立てられます。大切なのは借りないことではなく、必要最小限を・返せる範囲で・正確に理解した上で借りるという姿勢です。
事前の備えが充実しているほど奨学金への依存度が下がり、借りる場合でも借入額を少なくできるという好循環が生まれます。子どもが生まれた段階から少しずつ積み上げることが、将来の奨学金との向き合い方に大きな影響を与えます。
まとめ:奨学金は「借りる前提」ではなく「備える選択」を話し合おう
この記事では、給付型・第一種・第二種という奨学金の種類と仕組みの違いから、申請タイミング・返済シミュレーション・わが家に合った選び方まで整理してきました。
最も大切なのは「奨学金があるから大丈夫」という受け身の姿勢から、「いくら必要で・どの制度を使い・返済はどうなるか」という能動的な判断への転換です。給付型を最優先で探し・第一種で不足分を補い・それでも足りない場合のみ第二種を最小限借りるという順番が、返済負担を抑える基本的な考え方になります。
そして奨学金の話を進学直前に慌てて始めるのではなく、子どもが小中学生のうちから教育費を積み立てながら・奨学金という制度の存在を親子で知っておくことが、後悔しない選択への最も確実な準備です。




