「稼ぐとは何か」第1回授業レポート|収入の種類と生徒の反応

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「金融教育って、NISAとか投資の話から入るんじゃないの?」と思っている方に、少し意外な話をします。

HORI塾+の第1回授業で私が最初に取り上げたテーマは、投資でも節約でも貯金でもありませんでした。「稼ぐとは何か」という問いです。

お金の教育というと、すぐに「どう増やすか」「どう守るか」という話に向かいがちです。でも私は「そもそもお金はどこから来るのか」という最も根っこの部分から始めないと、どんな知識も宙に浮いてしまうと思っています。この記事では、なぜ第1回授業をこのテーマにしたのか・実際にどんな話をしたのかを、できるだけそのままお伝えします。

この記事では、次の3つのことを書いています。

  • 「お金の話をどう切り出すか」という塾長自身の悩みとその答え
  • 高校生への金融教育で「収入の仕組み」を最初に扱う理由
  • 第1回授業で実際に話した内容と、生徒の反応

普段の授業の雰囲気を少し覗いてもらえる記事になっています。「うちの子にもこういう話をしてみようかな」と感じてもらえたら嬉しいです。

なぜ私はHORI塾+の第1回授業を「稼ぐとは何か」にしたのか

カリキュラムを設計するとき、一番悩んだのが「何から始めるか」でした。投資・税金・保険・家計管理——どのテーマも大切で、どこから入っても間違いではない。でも「最初の1回」だけは、どうしても慎重に選びたかったのです。最初のテーマが、そのあとの授業全体の「空気」を作るからです。

塾長自身が感じた「お金の話を子どもにどう切り出すか」という悩み

正直に言うと、最初の授業の前夜はかなり緊張していました。学習塾での授業とは違う種類の緊張感です。

学習塾では「今日は二次方程式をやります」と言えば、生徒も保護者も「そういう授業だ」と理解してくれます。でもお金の話は違います。「今日からお金について話します」と言った瞬間、目の前の生徒がどんな顔をするか・どんな空気になるかが、全く読めませんでした。

身構えられたらどうしよう・難しそうと思われたらどうしよう・そもそも「なんでそんな話を塾でするんだ」と思われたらどうしよう。そんなことをぐるぐると考えながら、授業の導入をどう設計するかを何度も考え直しました。

最終的に私が出した答えは「難しい話から入らない・身近な疑問から入る」ということでした。目の前の生徒が普段から何となく感じている「お金ってどこから来るんだろう」という素朴な問いを入り口にすることで、構える前に話に入れるはずだと考えました。

高校生の金融教育で「収入の仕組み」を最初に教える理由

お金の教育でなぜ「稼ぐ」という話から入るのか——これには明確な理由があります。

お金の流れは「入ってくる・出ていく・残る」という3つで成り立っています。節約も投資も保険も、この3つのうちのどこかに関わる話です。でも多くの金融教育は「出ていくお金をどう減らすか」「残ったお金をどう増やすか」という話から始まります。

「入ってくるお金」の仕組み、つまり「収入はどこから来るのか・どうやって決まるのか」という話が抜けたまま節約や投資を学んでも、土台のない建物を建てるようなものです。

高校生にとって「稼ぐ」はまだ少し先の話のように感じるかもしれません。でも実際にはアルバイトを始めている生徒も多く、「給料から税金が引かれているけど意味がわからない」「時給って誰が決めているの?」という疑問をすでに持っています。その疑問から入ることが、最も自然な出発点だと判断しました。

実際の授業では「お父さん・お母さんの給料はどうやって決まっていると思う?」という問いかけから始めました。最初は少し戸惑った様子だった生徒が、話を進めるうちに「あ、そういうことか」という顔に変わっていく瞬間が、今でも印象に残っています。

「稼ぐとは何か」という問いを立てた後、次のステップは「稼ぎ方にはどんな種類があるか」という話です。収入の種類を知ることで「自分はどう稼いでいきたいか」という問いが初めて立てられるようになります。ここからが、この授業の本題でした。

労働収入・事業収入・資産収入の3種類を高校生に伝えた言葉とたとえ話

収入には大きく3つの種類があります。労働収入・事業収入・資産収入です。教科書的な言葉ですが、そのまま使っても高校生には伝わりにくいので、授業ではそれぞれを言い換えながら説明しました。

労働収入は「自分の時間と体力を使って稼ぐお金」です。アルバイトの時給・会社員の月給がこれにあたります。働いた分だけもらえる・働かなければもらえないという構造で、ほとんどの人が社会に出て最初に経験する稼ぎ方です。

事業収入は「自分でビジネスを作って稼ぐお金」です。お店を開く・サービスを提供するという形が典型例ですが、YouTubeやSNSで収益を得るという現代的な形もここに含まれます。労働収入と違うのは、仕組みを作ることで自分が直接動かなくても収入が生まれる可能性があるという点です。

資産収入は「持っているお金や資産が生み出すお金」です。株の配当・不動産の家賃収入・投資信託の運用益がこれにあたります。「お金がお金を生む」という状態で、最初の元手が必要ですが、軌道に乗れば自分が働かなくても収入が続きます。

この3つをひとことで整理すると、「自分が働く・仕組みが働く・お金が働く」という表現が一番シンプルかもしれません。授業ではこの言葉をホワイトボードに書いて、じっくり確認しました。

「自分の時間を売る稼ぎ方」と「お金に働かせる稼ぎ方」の違いを実感させたワーク

3種類の収入を説明した後、生徒に簡単なワークをしてもらいました。

「もし1日24時間、全部アルバイトに使ったとして、1時間1,000円なら1日いくら稼げる?」という問いから始めます。計算すると24,000円。「じゃあ1か月は?」と続けると約72万円。「すごい」という反応が返ってきます。

でも次に「その稼ぎ方には上限がある。なぜだと思う?」と聞くと、少し考えてから「時間には限りがあるから」という答えが返ってきました。

そこで「だとすると、時間に縛られない稼ぎ方があるとしたら?」という問いに進みます。ここで事業収入・資産収入という話が自然につながります。

「自分の時間を売る稼ぎ方には上限がある・お金や仕組みに働かせる稼ぎ方には理論上の上限がない」という対比が、生徒の中でじわじわと腑に落ちていく様子がわかりました。「じゃあ労働収入は意味がないの?」という質問も来ましたが、それは絶好の切り返しポイントです。「労働収入は土台。最初の元手と経験を作るのが労働収入の役割なんだよ」という話につなげました。

生徒が最も反応した「資産収入」──お金が働く仕組みを初めて知ったときの表情

3種類の収入の中で、生徒が最も食いついたのが資産収入の話でした。

「寝ている間もお金が増えるってどういうこと?」という顔をしながら前のめりになる瞬間が、この授業の中で最も印象的な場面のひとつです。

資産収入の説明では、100万円を年利3%で運用した場合に1年後には3万円増えているという計算を一緒にやりました。「3万円か、そんなに多くないな」という反応が来たところで「でも寝ている間に増えた3万円だよ。アルバイトで稼ぐなら何時間分?」と返します。

時給1,000円なら30時間分。「あ、そういう見方か」という表情に変わる瞬間があります。「稼ぐ」という言葉の意味が、自分の時間を使うことだけでなく・持っているお金を使うことも含むという感覚が、少しずつ広がっていくのがわかりました。

もちろん資産収入には元手が必要で・リスクもあるという話も正直にしています。「じゃあ今すぐ株を買えばいいの?」という問いには「まず労働収入で土台を作ってから」という答えを伝えました。焦らせることが目的ではなく、「こういう世界がある」という視野を広げることが、この授業のゴールだからです。

授業の中で「投資」をテーマにした話は出てきますが、勧誘や推奨、助言などは一切行なっておりません。

稼ぐことを学んだ生徒の反応──授業後に起きた意識の変化

授業の内容を「伝えた」かどうかは、その場の反応よりも後から出てくる言動の方が正直なところを示します。第1回授業の後に起きたいくつかの変化が、この授業を続ける自信になりました。

授業後に「自分で稼いでみたい」と言い出した生徒に起きたこと

授業から1週間ほど経ったころ、その生徒から「先生、ちょっと聞いていいですか」という連絡がありました。「自分でも何か稼いでみたいんですけど、高校生でもできることって何かありますか」という相談でした。

授業の中で「稼ぎ方には種類がある」という話をしたことで、「自分にはどの稼ぎ方が合っているか」という問いが自然に生まれたようでした。この変化は私にとって予想以上でした。「お金の教育」というと知識を教えるイメージがありますが、本当に大切なのは知識よりも「自分ごととして考え始めるきっかけ」なのだと改めて感じた瞬間でした。

その生徒には、すぐに大きなことを始めようとするより「今の自分にできる小さな体験」から始めることを勧めました。フリマアプリでの不用品の販売・得意なことを活かした小さなサービスという具体的な例を挙げながら、「稼ぐことの感覚を小さく体験する」という入り口を一緒に考えました。

知識として「3種類の収入がある」と知っているのと、「自分で稼いでみたい」という行動の芽が生まれるのとでは、全く違う学びの深さがあります。この変化を目の当たりにして、「稼ぐとは何か」という問いから始めた判断は正しかったと感じました。

「うちの子には早すぎる?」という不安に、現役塾講師がどう答えたか

授業の内容を保護者の方に話すと、「高校生にそういう話をするのは早すぎませんか?」という疑問を持つ方が時々います。この疑問は自然だと思いますし、私も最初は少し悩みました。

でも今は「早すぎるということはない」というのが正直な答えです。

その理由のひとつは、多くの高校生がすでにアルバイトを通じて「働く・稼ぐ」という体験をしているという現実です。体験があるのに「なぜ働くとお金がもらえるのか」「その仕組みはどうなっているのか」という背景を知らないまま社会に出る方が、私には「もったいない」と感じます。

もうひとつの理由は、お金の概念への「免疫」をつけておくことの重要性です。社会に出た瞬間から、クレジットカードの申込・奨学金の返済・保険の選択という判断が続きます。そのときに「稼ぐ・使う・増やす」という基本的な地図を持っているかどうかで、判断の質が変わります。

「早すぎる」という心配の裏側には「難しすぎて混乱させてしまうのでは」という思いがあるように感じます。でもHORI塾+の授業では、難しい計算や理論は使いません。「なぜそうなのか」という問いを、目の前の生徒のペースに合わせて一緒に考えていくというスタイルで進めています。1対1だからこそできる、この「ペースを合わせる」という部分が、HORI塾+の授業の一番の強みだと思っています。

HORI塾+の金融教育授業について──第2回以降の内容と受講のご案内

第1回授業の内容をここまで読んでいただいた方の中には、「うちの子にも受けさせてみたい」「もう少し詳しく話を聞いてみたい」と感じてくださった方もいるかもしれません。ここでは第2回以降の授業内容と、気軽に連絡できる窓口についてお伝えします。

次回第2回のテーマ「貯める・予算管理・緊急資金」について

第1回で「稼ぐとは何か」という土台を作った上で、第2回は「貯める」という話に進みます。

貯めることの話というと「節約しましょう」という印象を持つ方が多いかもしれません。でも私が第2回で伝えたいのは、節約のテクニックではありません。「なぜ貯めるのか・何のために貯めるのか」という目的の話と、「いくら手元に置いておくべきか」という緊急資金の考え方を中心に進める予定です。

「貯める」という行動は、目的が明確なほど続きます。「とりあえず貯金しなさい」という言葉で動ける人は多くありません。「何のために・いつまでに・いくら必要か」という具体的なイメージが先にあって、初めて行動が生まれます。この順番を体感してもらうことが、第2回の目標です。

また緊急資金という概念は、投資や節約より先に理解しておくべき土台だと考えています。この話は高校生にとって少し先の話に見えるかもしれませんが、「なぜお金を使わずに置いておくことが大切なのか」という問いに向き合うことで、お金の使い方への視野が広がります。

授業やLINE相談に興味をお持ちの方へ

HORI塾+の金融教育授業は、現在1対1の形式で行っています。「どんな内容か聞いてみたい」「子どもに受けさせることができるか相談したい」という方は、まずLINEから気軽にご連絡ください。

授業の申し込みはもちろん、「こういう話を子どもにどう伝えればいいか」「このサイトのこの記事をもう少し詳しく知りたい」という相談も歓迎しています。ご質問に対してできる限りお答えしますし、必要であれば一緒に考えます。

堅苦しいやりとりは苦手なので、気軽な感じでメッセージをいただけると嬉しいです。

▶ HORI塾公式LINEはこちら → https://lin.ee/yyA13if

まとめ:第1回授業を終えて塾長が伝えたいたった一つのこと

長い記事を読んでいただいて、ありがとうございました。最後に、一つだけ伝えさせてください。

第1回授業を通じて私が改めて感じたのは、「お金の話は、怖くも難しくもない」ということです。

「稼ぐとは何か」という問いに向き合った生徒が、授業後に「自分でも稼いでみたい」と言い出した。その変化を見て、私は確信しました。子どもたちはお金の話を嫌がっているのではなく、ただ「入り口」を知らないだけなのだと。

大人も同じです。「お金の話は難しそう・自分には関係ない」と思って距離を置いてきただけで、一度向き合ってみると意外と身近で・意外と面白い。そう感じてもらえるコンテンツを作り続けることが、HORI塾+の使命だと思っています。

このサイトが、あなたとお子さんにとって「お金について話し始めるきっかけ」になれたら、それ以上嬉しいことはありません。

これからも、よろしくお願いします。

堀(HORI塾+ 塾長)