HORI塾+を始めた理由とは?塾講師歴10年以上で痛感した限界

why-did-start-hori-juku 塾長ブログ

正直に言います。10年以上、子どもたちの勉強を見てきて、私はずっと「何か大切なことを教えられていない」という感覚を拭えませんでした。

成績は上がる。志望校にも合格する。でも卒業した教え子が社会に出て「お金のことが全然わからない」「クレジットカードの仕組みを知らないまま使っていた」「給料明細の見方がわからない」と悩んでいるのではと思うと、塾で教えてきたことの「外側」に、もっと大切な何かがあると感じていました。

HORI塾+を始めたのは、そんな10年以上の問いに対する、私なりの答えです。この記事では、なぜ学習塾だけでは足りないと感じたのか・なぜ金融教育をテーマに選んだのか・HORI塾+にどんな思いを込めているのかを、飾らずに書きます。

この記事では、次の3つのことを書いています。

  • 塾講師として10年以上働く中で気づいた、学校教育・塾教育の「盲点」とは何か
  • 日本の教育においてお金の話がタブー視されてきた背景と、その問題点
  • HORI塾+を立ち上げた動機と、これから伝えていきたいこと

読んでいただけると、このサイトがなぜ存在しているのかという「理由」が伝わると思います。共感してくださる方がひとりでもいれば、それだけで書いた甲斐があります。

塾講師歴10年以上で気づいた「お金の教育」の深刻な空白地帯

10年以上子どもたちと向き合ってきた中で、ひとつの問いがずっと頭を離れませんでした。「私は子どもたちに、本当に必要なことを教えられているだろうか」という問いです。勉強を教えることへの自信はある。でも「生きていく力」という意味では、どこか足りないものがある——そう感じ続けていました。

成績は上がっても「生きるお金の力」は誰も教えてくれない現実

塾という場所は、正直なところ「テストの点を上げること」が主な仕事です。それ自体は間違っていないし、私自身もそのために全力を注いできました。

でも10年以上この仕事を続けていると、どうしても見えてくるものがあります。中学生のとき一緒に方程式を解いた子が、20代になって「給料から何が引かれているのかわからない」と悩む。高校受験を乗り越えた教え子が「奨学金を借りたけど、利息の仕組みを理解していなかった」と後悔する。

成績という意味では、確かに力をつけて社会に出ています。でも「お金を稼いで・使って・貯めて・増やす」という、生きていく上で避けて通れない能力については、誰も体系的に教えてこなかったという現実があります。

これは塾だけの問題ではなく、学校も家庭も同じです。数学で利息の計算方法は習う。でも「なぜリボ払いが危険なのか」「なぜNISAが今注目されているのか」という、現実のお金と直結した問いに答えられる大人が、子どもの周りにどれだけいるでしょうか。

勉強を教えながら、私はずっとこの空白地帯のことが気になっていました。

「お金の話=汚い(タブー)」とされてきた日本の教育構造の問題

お金がタブー視される文化と教育の問題は、一度立ち止まって正面から考える必要があると私は思っています。「品のある話ではない」という空気が、最も必要な知識を子どもから遠ざけてきたという現実は、教育に携わる立場として見過ごせません。

日本では長い間、お金の話を公の場でするのは「品がない・はしたない」という文化がありました。この感覚は今も根強く残っていて、学校でも家庭でも「お金のことはあまり表立って話さない」という雰囲気があります。

でも考えてみると、これは非常に不思議なことです。生きていく上でお金は絶対に必要で、その扱い方ひとつで人生の選択肢が大きく変わる。それなのに、最も重要な知識のひとつが「タブー」として教育の外側に置かれてきました。

私が特に問題だと感じるのは、この空白が知識を持っている人・持っていない人という格差を静かに広げてきた点です。お金の知識は家庭環境によって大きく差がつきます。親がお金について率直に話せる家庭の子どもと、一切話題にしない家庭の子どもでは、社会に出たときのスタートラインが違う。

塾という場所で様々な家庭の子どもたちと接してきた私には、この格差がはっきりと見えていました。勉強の格差は塾で縮められる。でもお金の知識の格差は、誰も縮めようとしてこなかった。

HORI塾+を始めたのは、この状況を少しでも変えたいという思いからです。大げさなことを言うつもりはありません。ただ「知っていれば防げた損失・知っていればできた選択」を、ひとりでも多くの親子に届けたいと思っています。

子どものお金教育を親が教えられない理由とは?家庭で起きていること

塾の保護者面談で「お金の話、家でどうされていますか?」と聞くと、多くの親御さんが少し困った顔をします。「うちは全然できていなくて…」「どこから話せばいいかわからなくて」という答えが返ってくることがほとんどです。**関心がないわけではない。でも何かが邪魔をして、踏み出せずにいる。**この「何か」の正体を、少し丁寧に考えてみたいと思います。

「自分もよくわからないから教えられない」と感じている親が多数派

保護者の方と話していて最も多く聞くのが、「正直、自分もよくわかっていないので教えられないんです」という言葉です。これは決して恥ずかしいことではなく、私はむしろ正直に言ってくださっていると受け取っています。

今の40代・50代の親御さん世代が学校にいたころ、金融教育はほぼ存在しませんでした。家庭でもお金の話はタブー視されていたため、体系的に学ぶ機会がないまま社会に出た方がほとんどです。「なんとなくやってきた」という感覚でここまで来て、ある日子どもに「NISAって何?」と聞かれて初めて「自分も実はよくわかっていない」と気づく——そういうケースは珍しくありません。

私自身も、このサイトを始めるにあたって改めて一から勉強し直した部分がたくさんありました。知っているようで知らない、知っているつもりだったけど正確ではなかった——そういう知識が、お金の分野には思いのほか多いのです。

だから「自分もよくわからない」という親御さんに伝えたいのは、「それは当然で、だから一緒に学べばいい」ということです。子どもに完璧に教えられる必要はありません。「これってどういう仕組みなんだろうね、一緒に調べてみようか」という姿勢が、むしろ最高のお金の教育になると私は思っています。

日常会話でお金の話を出すことへの罪悪感と照れが壁になる

知識の問題とは別に、「お金の話を子どもにするのはどうなんだろう」という心理的な壁を感じている親御さんも多いです。「お金のことを話すと、子どもが心配するんじゃないか」「生々しい話をするのはかわいそう」という罪悪感と、「お金の話をするのはなんとなく照れる」という感覚が重なって、話題として避けてしまうという構造があるように見えます。

この感覚は理解できます。私も親として、我が子に対してそういう気持ちを持ったことがあります。でも少し立場を変えて考えてみると、どうでしょうか。

子どもがいつか社会に出るとき、お金の問題は必ずやってきます。給料明細の見方・クレジットカードの仕組み・保険の選び方・老後のための積み立て——これらは「知っているかどうか」で、人生の選択肢の数が変わるテーマです。そのときに初めて向き合うより、日常の中で少しずつ慣れておいた方が、子ども自身にとっても楽なはずです。

お金の話は「汚い話」でも「怖い話」でもありません。「社会の仕組みの話」であり、「自分の未来をどう設計するかという話」です。その視点で話せると、罪悪感や照れという壁は少しずつ薄れていくと思っています。

資産形成に関心はあるのに「まず子どもに何を伝えればいい?」がわからない

保護者の方から最もよく聞く悩みのひとつが、「NISAを始めたり、老後のことを考え始めたりして、資産形成には関心があるんです。でも子どもにどう伝えればいいかが全然わからなくて」という声です。関心はある・必要性もわかっている・でも入り口が見つからない、という状態です。

この「入り口がわからない」という感覚は、実はとても自然なことだと思っています。お金の話は「どこからでも始められる」からこそ、逆に「どこから始めればいいかわからない」という状況が生まれます。

たとえばNISAの仕組みを話したいとして、そのためには「税金の仕組み」が必要で、税金の前には「お金はどこから来るか」という話があって——と考え始めると、どんどん芋づる式に広がって、結局何も話せないまま時間が経ってしまうという経験をした方は多いのではないでしょうか。

私がHORI塾+で目指しているのは、この「入り口」を作ることです。難しい概念を体系的に解説するより、日常の「これって何だろう?」という疑問に答えながら、少しずつお金の地図を広げていく。そのために、このサイトを作っています。

正直なところ、私自身もまだ完璧ではありません。FP2級の資格取得に向けて勉強しながら、記事を書き続けています。でもだからこそ「わからない人がわかっていく過程」を一緒に歩けると思っています。完成した知識を上から届けるのではなく、同じ地平から一緒に考える——それがHORI塾+の姿勢です。

HORI塾+を始めた理由──塾講師だからこそ見えた「教え方の答え」

「お金の教育が必要だ」という問題意識は、多くの人が持っています。でも私がHORI塾+を始めた理由は、問題意識だけではありませんでした。塾講師として10年以上積み重ねてきた「教え方の経験」が、そのままお金の教育に使えると確信した瞬間があったからです。その確信が、このサイトを作る直接のきっかけになりました。

勉強を教えるノウハウをそのままお金の教育に応用できると確信した瞬間

正確に言うと「確信した瞬間」は、ひとつの出来事というよりいくつかの気づきが積み重なった結果でした。でも最も印象に残っているのは、ある保護者の方との面談での会話です。

「先生、うちの子に複利の仕組みを説明しようとしたんですが、全然伝わらなくて」という相談を受けたとき、私は試しにその場でいくつかのたとえ話を使って説明してみました。するとその親御さんが「あ、そういうことか。なんで学校ではそう教えてくれなかったんでしょうね」と言ったんです。

そのとき気づいたのが「伝わらないのは内容が難しいからではなく、教え方の問題だ」ということでした。塾で子どもたちに数学や国語を教えるとき、私が最も時間をかけてきたのは「どう説明すれば伝わるか」という部分です。難しい概念をどんなたとえに置き換えるか・どの順番で提示するか・どこで例題を入れるか。この思考プロセスは、お金の教育にそのまま使えると確信しました。

難しいお金の概念が「伝わらない」のは、内容が難しいからではなく、伝え方が受け取る側に合っていないからです。この視点を持って作るお金の教育コンテンツは、既存のものと少し違うものになれると思いました。

親子で一緒に学ぶ形式にこだわった背景と狙い

HORI塾+のコンセプトとして「親子で学ぶ」という形式にこだわっています。子どもだけに教えるのでも・親だけが学ぶのでもなく、親子が同じコンテンツを見ながら一緒に考えるという形を意図して作っています。これには明確な理由があります。

塾で長く働いていると、勉強の習慣や学力に最も大きく影響するのは「家庭の雰囲気」だということが見えてきます。親が本を読む家庭の子どもは本を読む・親が勉強を大切にする家庭の子どもは勉強を大切にする。知識や情報よりも、日常の中で何が「当たり前」として扱われているかが、子どもの価値観を形成します。

お金の教育も同じです。「お金についてオープンに話せる家庭」で育った子どもは、社会に出てからも自然にお金と向き合えます。逆に「お金の話はしない家庭」で育つと、社会に出て初めてお金の問題に直面したとき、誰にも相談できない・どうすればいいかわからないという状況になりやすい。

だから私は「親が子どもに教える教材」ではなく、「親子が一緒に考えるきっかけになるコンテンツ」を作りたいと思っています。親が完璧に理解してから教える必要はありません。「これどういう意味だろう、一緒に調べてみようか」という会話が生まれることの方が、ずっと大切だと思っています。

「現役塾講師が教える」からこそ実現できるわかりやすさと継続性

お金の情報はインターネット上にあふれています。でも「わかりやすい・継続して読める・子どもに伝えられる」という3つが揃ったコンテンツは、正直なところ多くありません。私がHORI塾+で意識しているのは、まさにこの3点です。

わかりやすさについては、塾講師としての経験が直接活きています。「難しい言葉を使わずに説明できるか」「具体的な例やたとえを使えているか」「順番が適切か」という視点は、毎日の授業で意識してきたことそのままです。

継続性については、塾という仕事の性質が関係しています。塾は「1回で全部教える」場所ではなく「少しずつ積み上げていく」場所です。毎週顔を合わせて・少しずつ難しい内容に進んでいくという感覚で、このサイトのコンテンツも設計しています。

子どもに伝えられるという点については、常に「これを保護者の方が読んで、子どもにそのまま話せるか」という視点でチェックしています。読んだ親御さんが「これ、うちの子に話してみよう」と思えるかどうかが、私の中での合格ラインです。

現役で塾を経営しながらこのサイトを作っているのは、体力的には正直きつい部分もあります。でもそれと同時に「今現場で子どもたちと向き合っているからこそ書ける内容がある」という実感も持っています。

HORI塾+は「塾講師の限界」から生まれた、親子でお金を学ぶ新しい教科書

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。

HORI塾+は、塾講師として感じてきた限界から生まれました。成績を上げることはできる。でも「生きていくために本当に必要な力」を届けるには、塾という場所だけでは足りない。その問いへの答えが、このサイトです。

お金の教育を難しく考える必要はありません。完璧な知識を持った親が、完璧な順番で教えなくてもいい。「今日のニュースにこんな言葉が出てきたね」「このレシートの消費税、計算してみようか」という日常の小さな会話の積み重ねが、子どものお金への感覚を育てます。

私がこのサイトで目指しているのは、その「小さな会話のきっかけ」を届けることです。塾講師として培ってきた「伝える力」を使って、難しいお金の話をできるだけシンプルに・できるだけ親子の日常に近い形で届けていきたいと思っています。

完成したサイトではありません。私自身もFP2級の取得に向けて勉強しながら、記事を書き続けています。一緒に学んでいく過程そのものが、このサイトの価値だと思っています。

これからも、どうぞよろしくお願いします。